「西日本新聞」(ディジタル版)の記事に触発されて、早速、私も句とイラストのコラボをやってみた。
ほのぼの系の絵が描けるかどうか自信がなかったが、どんなふうに仕上がるか、ひとまずやってみようということでやってみた。
最初は、「絵日記」で使っているおなじみのアプリ「Concepts」の「ダイナミックペン」ツールで描いたが、どうにも固い。「ペン」ツールだから固いのかと「ソフト鉛筆」ツールに切り替えたが、まだ固い。もっと柔らかい線で描けないものかと考えて、ふと思いついたのが「Zen Brush 2」。これは以前、「書」の甲骨文や金文を書くのに使っていたアプリだ。
このアプリを使っていた頃は、もっぱら字を書くだけで、水墨画を描くことはなかった。もちろん水墨画も描けることは知っていた。そのうち水墨画を描きたくなったら世話になろうとは思っていた。
それで今回、ひょんなことから出番が回ってきた。まさか、こんなに早く出番が来るとは思っていなかった。
この「Zen Brush 2」というアプリは非常に優れものなのだが、墨だけあって色が黒と朱の2色しかない。ただし、それぞれ濃淡が3段階になっているから、それをうまく組み合わせれば質感を表現できなくはない。「Concepts」の多彩色になじんだ身にはそれがちと不満だが、墨の特徴に特化したディジタルアプリと割り切れば、それなりに使って楽しいアプリである。
このコロナ禍で華のGWも家に籠もることになって、毎日退屈しているかというとちっとも退屈していない。今日から始めた「ディジタル俳画」という楽しみがまた一つ増え、ますます時間が足りなくなった。
時間が足りなくなった、のは本当です。句に絵をくっつけて一つの作品に仕上げようとして、そんなの簡単だと高をくくっていたら、句ができて絵を描き終わるまでに、ほぼ半日かかった。
句は簡単にできたが、それに合った絵を描くのにたいそう苦労した。ほのぼのした感じを出すのにイメージした絵は、谷内六郎であり、北見けんいちであった。ところが、それらを真似て描こうとしても、どうしても描けない。描いては消し、消しては描いた。そして気づいた。ほのぼのとした絵を描くには、ほのぼのとした心を持っていないと描けないんだと。
私にはのほほんとした楽観はあるが、ほのぼのした達観がない。だから、ほのぼのとした絵が描けない。それに近い絵は描けるかもしれないが、それはあくまでも作り物であって本物ではない。絵とは、描く人の心が如実に表れるもののようだ。
描いているうちに、徐々に本物になっていくだろうか。ほのぼのとした心持ちであり続ければ、きっといつかは本物を描くことができるようになるだろうか。そうありたい。
【今日の一枚】甘夏の花。
甘夏の花がびっしり咲いています。去年の実がまだ枝にぶら下がっているというのに。去年の実をさっさともぎ取って、マーマレードでも作りますか。
【ディジタル俳画】No.1
アプリ「Zen Brush 2」の再登場。以前、「書」で使っていたアプリで俳画を描いてみた。俳画には全く不慣れだけど、自作の句を絵にするとこんな感じかな、てな具合にして気ままにやっていこうと思います。
【タイムラプス】5月5日(火)5:19〜8:01の伊豆長岡の空。20秒。
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