いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

孫ときて野外炊事の風薫る(あ)

カミさんが伊豆に来ると、これ、それ、あれ、といった指示代名詞が飛び交うようになって疲れる。いわく、「これ、この汚らしいの、これ何?」(私の作った料理だよ)「ちょっと、それ取って、それ。それだってば」(えっ? 醤油のこと?)「あれ、どこにしまった? あれよ、あれ。全くこの家は、何がどこにあるんだか、さっぱり判らない」(って、自分で勝手に置き場所を変えたんだろ?)。

その度に私が、「これって、なに?」「それって、どれ?」「あれって、何のこと?」と面倒臭そうに対応するものだから、それがカミさんのイライラをさらに募らせることになって、家中にどよんと重い空気が漂うことになる。

いたたまれず、私はコーヒーカップを持って外に出る。すると、程なくして孫娘が私を追いかけて出て来る。ゲーム三昧のお兄ちゃんはというと、こっちはパソコンから離れない。カミさんの、「少しは目を休めなさい」という忠告も何のその、知らぬ顔の半兵衛を決め込むあたりはしたたかなゲーマーだ。

孫娘が庭に出て来ては相手をしないわけにはいかない。コーヒーカップをぬれ縁に置いて草むしりを始める。♪草むしりは楽しいな♪ と「こがね虫」の節で歌うと、孫娘も少しは手伝う気になったか、「じぃじは本当に草むしりが好きだね」と言いながら一緒に草をむしり始める。

と、孫娘はダンゴムシを見つけた。それを素手でつかみ掌に乗せて、いかにも可愛いというふうに這わせている。

孫娘は、小さい時から(今でも十分小さいが)ダンゴムシが好きで、水道の元栓の場所がダンゴムシの巣であることを知っており、そこから数匹つまみ上げて、マーガリンの空きケースに、湿らせた土を入れて飼育するくらいの「虫めづる姫君」だった。

その割にはカエルが大の苦手で、草むらに青蛙を見つけた日には、血相を変えてのけぞるのである。そのギャップが面白くて、どこかでカエルの鳴き声が聞こえたりすると、♪きゃ〜ろが鳴くから 雨づ〜ら〜よ〜♪ と歌って冷やかすのである。

すると、孫娘も「なんで、そんなこと言うの? じぃじって大嫌い」と言いながら、ダンゴムシを手に握りながら、♪ポケットの中には ダンゴムシ♪ と踊り歌いながら、私のズボンのポケットにダンゴムシを入れようとする。そうされてはかなわんと逃げる私を追いかければ、期せずして年齢差50の鬼ごっこが始まる。

私の弱点を知ったとばかりに、ダンゴムシを持った手を振って私を追いかける。なかなか捕まえられない私に、孫娘は別な手段を考えた。夜、私が寝ている時にダンゴムシを顔に落としてやると脅すのである。

実際にやりかねない孫娘である。そうなれば、寝ている間に鼻穴からダンゴムシが侵入してこないとも限らない。そこで、孫娘がマーガリンケースに入れて玄関に置いてあったダンゴムシを、「ダンゴムシは暗いところが好きだからね」と言って、外のぬれ縁の下に移動した。

お願いだから、夜くらい静かに寝かしてくれよ。

 

【今日の一枚】ポカポカ陽気の庭で朝食。

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今日の朝食は、ポカポカ陽気の庭でピクニック気分を味わいながら摂る。どうということのないありふれた日常の中に、ぽこんとピクニックスタイルを入れると、また普段と違った気分になれる。第一、空気が旨い。こうして野外で食事を摂ると、空気も味付けの一つなんだなと思う。

 

【絵日記】鎌田實(No.133)

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孫が来ないうちに幾らか描き溜めておこうと思ったけど、描き溜められませんでした。一日一作が精一杯かな。そういう点で言うと、漫画家の量産は半端ないですね。すごいの一言。私にはとても真似ができません。

今日の分でストックが尽きました。明日からまた「絵日記」なしの孫の世話です。

 

【タイムラプス】4月25日(土)5:53〜8:05の伊豆長岡の空。32秒。

https://www.facebook.com/aisakajiro/videos/10222722862042363/?d=n