いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

ひと花を咲かす矜持や冬の花(あ)

昨日(11/10)の陸奥新報コラム「冬夏言」に「岩木山に3回雪が降れば里にも降るーという言い伝えを思い出し、……」とあった。

陸奥新報は弘前市に本社を置く地方新聞で、案内には今年創立70年とある。

私が高校まで住んだ青森市の家庭で読まれる新聞のほとんどは東奥日報で、こちらは創刊が1888(明治21)年と古い。

私が高校に通っていた頃、東奥日報社主催の「東奥模試」というのがあって、これは大学受験生を対象とした模擬試験なのだが、当時はたかが模試ごときで東奥日報に名前と成績が載ったものである。もちろん、高校の合格発表も、誰それがどこそこの大学に合格したということも、新聞ですべて明らかにされたのだから、個人情報もへったくれもあったものではない。

ということは置いといて、そうか、岩木山にも雪ふる頃になったか。いよいよ津軽も本格的な冬がやってくるなあ。

私が住んでいたところは背後にすぐ山が迫る、陸奥湾に面した半農半漁の貧しい村だった。奥羽山脈を北へ北へと地図をなぞり、八甲田山を越えてドボンと落ちたところが陸奥湾で、その海と山とに挟まれた、ふんどしのひもみたいな村といえばいいか。父は漁師で母は野良仕事といった家庭が多かった。

奥羽山脈がそこで途絶え、雪を運ぶ北からの風が日本海から太平洋へ抜けるから、青森の雪は大抵横から降る。そんな中を毎日、朝と夕には各家庭に新聞が届けられたのだから、今思えばすごいことだったと思う。我が家への新聞は、隣町の湯治場にある新聞販売店が運んでくれていたけれど、そんなことを今でもやっているのだろうか。

私は今、雪の滅多に降らない伊豆で暮らしている。そこで毎日、青森の新聞のコラムを読んでいる。それで、青森の今の様子を知ることができるのだが、遠く離れて暮らしていても、こうして故郷のたよりに毎日触れられることが何より嬉しい。読みながら、青森に生まれ育って本当によかったと至福をかみしめるのである。

 

【今日の一枚】シコンノボタン(紫紺野牡丹)。

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昨日行った床屋さんの庭に咲く。ノボタンがきれいに咲いてますねと岸恵子似のお母さんに言ったら、「あら、お祭り(山車が練り歩く地元神社の例祭のことか)の日に散っちゃたと思ってたけど、そう、また咲いたの」と返ってきた。ノボタンはこの時期、咲いては散り、散っては咲く花のようです。花言葉は、「平静」「落ち着き」「ひたむきな愛情」。

 

【書】「皮」ヒ・かわ(No.296)

▼金文

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象形。獣の皮を手(又=ゆう)で引き剥(は)がしている形。[説文]三下に「獣革を剥取(はくしゅ)する者、之(こ)れを皮と謂(い)ふ」とある。革は獣の頭から手足までの全体の皮をひらいてなめした形である。皮革(加工した動物の皮)は古代の衣服や武具・装備の最も重要な材料であった。「かわ」のほかに、皮相(表面に現れた現象。うわべ)・皮肉(うわべ。また、体)のように、「おもて、うわつら」の意味に用いる。<『常用字解』より>

 

【温泉】一二三荘。

 

【タイムラプス】11月11日(月)5:27〜7:21の伊豆長岡の空。28秒。

https://www.facebook.com/100001436582002/videos/2633190270072167?d=n&sfns=mo