いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

朝顔の色とりどりに風を吸ふ(あ)

【今日の一枚】濡れ縁の朝顔。

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わんさか花開くはずの朝顔が、今頃になってようやくポツリポツリ咲き出した。

実はこの朝顔、季語でいうと「秋」になる。秋といっても「初秋」。だから、この朝顔は、ちゃんと咲く時期を知って咲いているのですね。

朝顔は、夜明けに咲いて昼にはしぼむ。対して、日盛りに花を咲かせるのは「昼顔」で、夕方に咲いて朝方にしぼむのは「夕顔」。他に「夜顔」というのもあって、咲く時間帯は「夕顔」とほぼ重なり芳香も素晴らしいというが、私はまだ夜顔にお目にかかったことがない(お目にかかっても気づいてない)。

朝顔の句というと、「朝顔につるべとられてもらひ水」(加賀千代女)が知られるが、正岡子規はこれを「俳句にあらず」と酷評。子規の親友・夏目漱石も「拙句」と切り捨てた。

どこがダメなのか。「全部言ってしまっているから」ダメなのだそうです。

そういえば、夏目漱石は、帝大時代の講義で「I love you」を「我ハ君ヲ愛ス」と訳した学生に、「月が綺麗ですね、くらいにしとけ」と助言した由。ストレートに全部語ってしまったら身も蓋もない、ということなんでしょう。俳句にもそれが言える。いやあ、俳句というのはなかなか奥が深い。

そこで、はたと思いついた。俳句を四コマ漫画で表現したらどうなるだろう。例えば、先の「朝顔のつるべとられてもらひ水」を四コマ漫画に仕立て直してみる。

①朝餉の支度で女が水を汲みに井戸端へ行く。

②水を汲もうとしたらつるべに朝顔のツルがからみついている。

③女は、「おやまあ、朝顔」と驚く。

④女は、その井戸から水を汲むのをやめて別の井戸端へ去る。

と、コマを4つに割ってみて、イマイチ面白みに欠けることに気づいた。全部、説明してしまっている。子規も漱石もこの句を駄句だとしたのは、そこに原因があったのではないだろうか。

説明しきってはいけないのです。読者に「えっ?」と思わせるところを残しておかなくていけない。というところで、目指す四コマ漫画の方向が少し見えてきたような気がする。

って、なんか、このところ、寝ても覚めても四コマ漫画のことばかり考えているんだけど。

 

【書】「尽(盡)」ジン・つくす・つきる・つかす・ことごとく(No.215)

▼甲骨文

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▼金文

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もとの字は盡に作り、聿(いつ)と皿(べい)と水滴の形とを組み合わせた形。聿は小さな枝のような棒を手(又=ゆう)を持つ形。細い棒で水を入れた皿の中を洗う形で、洗いつくすことをいう。のちすべて「つくす、きわめる、つきる、おわる、ことごとく」の意味に用いる。<『常用字解』より>

甲骨文は、喫茶店でパフェか何かを手で弄んでいるように見え(いつの時代よ)、金文の方は、パフェの代わりに皿にのっかっているは、どうしたってゲジですね。ゲジはシロアリを退治してくれる益虫だが、見た目でずいぶん損をしてます。

 

【絵日記】長谷川町子(No.93)

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洋服の模様は、ブラシマーケットの「Memphis2」を使ってみた。こういうトーンを用意してくれるとずいぶん漫画が描きやすい。だんだん漫画を描くコツがつかめてきたかな。 

 

【温泉】一二三荘。

 

【タイムラプス】8月16日(金)6:10〜7:05の伊豆長岡の空。27秒。

https://www.facebook.com/100001436582002/videos/2459661347425061?s=100001436582002&sfns=mo