【今日の一枚】土嚢に朝顔の苗を植える。
普通教室棟と体育館とに挟まれたスペースに芝生の中庭がある。そこはかつて50mプールがあった場所だと前の校長先生が教えてくれた。それを聞いたときは、中学校に50mプールとはなんと贅沢な、と思ったものだ。中学校の体育の必修から水泳が消え、それに合わせて新校舎を建てるときにプールをなくしたのだとか。50mのプールじゃ、それを維持するだけでも大変だったでしょうね。
中庭は芝生が生えているばかりで、他には何もない。下手に築山を盛り池を掘って東屋を建てたりなんてせずに、ただ芝生だけにしたというシンプルさが潔い。いずれここの芝刈りも私にお声がかかるのかと思っていたが、今日見たら芝がきれいに刈られていた。刈ったのはどなたかと心の相談室の先生に訊いたら、教頭先生がやってらしたと言う。
私にお声がかかったのは、土嚢の土を新しいのに変えて、そこへ朝顔の苗を植えること。中庭の普通教室棟側のデッキに土を入れた土嚢があって、毎年そこに朝顔を植え、1階フロアの3学年が世話をすることになっている。職員室で回覧文書に目を通していたら、つかつかと校長先生が寄ってきて、朝顔の苗を植えるぞと私を中庭に誘う。
土嚢の土は上部に石灰と「農土香(のどか)」という地元農家が使うのと同じ肥料を移植ゴテで混ぜ合わせるだけにした。土嚢を持ち上げるとメリメリ破けそうな音がするし、全部の土を入れ替えるのは無理だ。と判断したのは校長先生で、私はただそれに従っただけ。
そこにポットでタネから育てた朝顔の苗をロータリーの日向から運んできて植え付ける。苗を育てたのも校長先生。どんな色の朝顔が咲くのかは苗の茎の色を見れば判るとのこと。これは赤い花が咲く朝顔と言って見せてくれた苗は、なるほど、茎の下がいくらか赤みを帯びていた。
そんな作業をしながら校長先生といろんな話を楽しんでいる。前に校長先生は私の仕事を「何でも屋」みたいにおっしゃったが、校長先生の話し相手になるのもそこに含まれている気がしないでもない。
この前、ホームセンター指定工事店の人に床下を見てもらいましたよ。画像を見たけど、相当傷んでいました。工事費の見積額を聞いてびっくり。そんなの払えないから家が倒壊するのを待つしかない、などと話す。
工事費の具体的数字もざっくばらんに言える雰囲気が校長先生にはある。そりゃ大変だとかなんとかも言わず、床下に潜った人はちょっと恰幅がいい人だったでしょ、（ええ、あの体格でよく床下に潜れたなあと感心しました）あの人ね、東日本大震災で被災されてこちらへ来た人だよと教えてくれる。どこでそんなの知るんだろう。
校長先生は、とにかくじっとしていられない人のようで、暇さえあればそちこち動き回っている。作業の後片付けをしながら、「本当に（校長）先生は、まめに動きますよね」と言ったら「マグロと同じで動いてないと死んでしまうものだから」とご謙遜。
その校長先生から今日ようやく正式な「派遣通知書・任用通知書・勤務条件通知書」をいただいた。日付を見たら4月11日って、おいおい勘弁してよ、なのだが、校長先生はそれを許せる何かを持っている人である。
【書】「戸(戶)」コ・と・いえ（No.132）
片開きの扉の形。神を祭る神棚の片開きの扉の形である。両開きの扉の形は門となる。戸や門は内外を分かつ神聖な所とされ、甲骨文には三戸や三門を祀(まつ)る例がある。その中に■(さい＝手書き画像)(神への祈りの文である祝詞を入れる器の形)が入っている神棚の扉を手で開くことを啓といい、また神の啓示(お告げ)をみることも啓という。神の啓示を受けることを始めるのは肇(ちょう＝はじめ、はじめる)という。一家にはそれぞれ聖所があり、一戸といい、一家の意味に用いる。戸は「とびら」の意味から、「いえ」の意味に使う。＜『常用字解』より＞
◾️(手書き画像)↓
この甲骨文を見て、すぐに竹を編んで作った門扉を思った。孫が遊びに来たとき、時たま車が走る前の道に飛び出さないようにと作ったのだが、今ではその役目も終えて玄関脇の竹の陰でひっそり朽ちるのを待っている。なかなか味のある隠れ家風の趣があったが、使い勝手はあまり良くなかった。
【温泉】一二三荘。
【タイムラプス】5月22日（水）5:33〜8:18の伊豆長岡の空。20秒。
https://www.facebook.com/100001436582002/videos/2309228992468298?s=100001436582002&sfns=mo
