いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

三十年といふ光陰の花見かな(あ)

【季節の花】小田原・長興山のしだれ桜。

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夏の呑兵衛旅行のメンバー4人で恒例の花見。毎年この時期、花見を楽しみながら夏の旅行の大まかな日程を確認する。私以外は皆神奈川の人で、私が伊豆へ完全移住してからは、花見の場所を私が出て行きやすいところに設定してくれる。去年は小田原城の桜を楽しみ、今年はしだれ桜で有名な、同じ小田原の長興山にしてくれた。

長興山のしだれ桜は樹齢340年という。湯河原勤務時代に職場の同僚と一度訪れたことがあり、今回は約30年ぶりに再び訪れることになった。

箱根登山鉄道の入生田駅に集合し、そこから山道をえっちらおっちら上る。結構勾配がきつい坂で、はて、こんなきつかったかなあと30年前を思い出そうとするが、思い出せない。きつい坂だったには違いないが、その坂を上ったことがすっかり記憶から消えている。若かったから急坂を苦にしなかったのだろうか。それとも同僚の運転する車で上ったのだったか。覚えてない。

20分ほど歩いてしだれ桜に到着。樹齢340年の重みをズシリと感じさせる幹の瘤は30年前に見たそれと同じようだが、ここでもまた記憶をとどめていない。が、八方に枝垂れた見事な枝ぶりは覚えている。ということは、そこしか見ていなかったということか。

ビールや団子を売る売店では、しだれ桜の下にテーブルを出し、ひっきりなしに福山雅治の「桜坂」を流していた。我々が着いたのは午後3時半過ぎだったが、結構な花見客がテーブル席を埋め、中に一組、レジャーシートを敷いて花見を楽しんでいるグループもあった。そんな光景は30年前にはなかった。

長興山のしだれ桜は当時も名は広く知られていたが、見物客は今日みたいに多くはなかったように思う。イノシシ対策という進入禁止の柵も当時はなく、幹をぐるり回って観賞できた。

こうして30年経つうちにあたりはすっかり様変わりしてしまったが、樹齢340年のしだれ桜だけは、その滝のように垂れ下がる見事な姿を今も変わらず見せてくれていた。

 

【書】「解」(No.82)

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角と刀と牛とを組み合わせた形。牛の角(つの)を刀で切り取ることをいう。獣の死体を解き分けることを釈(釋)というが、釋は⾤(べん=獣の爪)で睪(えき=獣の死体)を裂き、取り分けること。解と釈は、獣の角を切り取り、肉を取り分けて解体(ばらばらにすること)するのがもとの意味であった。それで解釈(意味や内容などをとき明かすこと)という。解は、のちには広く疑問を「とく」、問題を解きほぐして解決することをいう。<『常用字解』より>

かつて「牛」のパーツを、どうしても「午」と書く子がいて、その子に「牛の角を刀で切る」と覚えなさいと言ったことを懐かしく思い出す。

甲骨文は『常用字解』に載っている字形を参照して書いているが、今回の「解」はPDFだと字が不鮮明で、どう書いているのかよく判らない。う~ん、待てよ、古代文字をまとめた本が確かあったような気がするな、と思い出して本棚を探したら、あった。

『漢字のルーツ 古代文字字典 甲骨・金文編』(城南山人編 マール社 2004年第3刷発行)。いつ、何のために買ったのだか覚えてない。甲骨文を書きたいと思ったことが以前にもあったらしい。これはいい本を得た。この本に、くっきり鮮やかな「解」の甲骨文が見える。

今回はこの本に載っている甲骨文を参照して書いた。たぶん、これからもそうするだろうと思う。

 

【温泉】花見の帰りに小田原で呑んだので今日は風呂なし。

 

【タイムラプス】3月31日(日)8:18~10:27の伊豆長岡の空。32秒。

https://www.facebook.com/100001436582002/videos/2226240307433834?sfns=mo

画面が相当揺れている。それだけ風が強かった。

タイムラプス撮影用の支柱をデッキの柵に紐で縛り付けてあるが、縛り方がゆるくて、風が強いとがたがた揺れる。支柱を木ねじで固定すれば揺れなくなるのだろうが、それだと風の強さが伝わらない。この日は風が強かったんだということが判るように、あえてそのままにしておくことにする。