いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

今日あれば明日もまたある日日草(あ)

今日のNHK杯日曜囲碁トーナメント戦決勝は実に見応えがあった。

先番は井山裕太五冠(29)、白番はNHK杯準優勝2回の実力者で今回初優勝を狙う一力遼八段(21)。解説者の趙治勲名誉名人(62)の予想どおり、碁は最初から切った張ったの大熱戦となって、ワクワクドキドキの展開が続いた。ずっと井山五冠優位と見ていたところが、結果は井山五冠の投了で一力八段の中押し勝ち。私には意外な幕切れだった。

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しかし、投了の盤面から、解説者が「セキ」と読んだ中央の黒白の攻防の続きを、白番として打ってみたら「セキ」ではなく白の一手勝ちで黒8子取られの図であることが判った。終盤の寄せに入る段階で、たぶん井山五冠にはそれが見えたのだろう。だから投了した。

それにしても趙治勲名誉名人の迷(?)解説は面白すぎる。相方の長島梢恵二段との掛け合いには腹を抱えて笑った。趙治勲の、大先生らしからぬあまりに素人ふうの読みにどう反応していいか判らないといった戸惑いが長島二段にはあった気がする。趙治勲先生は、ほんと子供がそのまま大人になったような感じの人ですね。いやあ、面白かった。

 

【季節の花】大仁駅ホームのニチニチソウ(日日草)

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一昨日金曜(3/22)、茅ヶ崎の歯医者に行った帰りに、田京駅で降りずに大仁駅まで乗り越して一二三荘の湯に浸かった。一二三荘にはボディソープもシャンプーもあるから、タオル一本あれば済む。それで、帰りが夕方になりそうな遠出には、タオルをバッグに入れておくようにしている。

一二三荘の帰り、大仁駅ホームの花壇にスイートピーに混じってニチニチソウも咲いていた。「季節の花」に載せようと撮影していたら、そこへちょうど修善寺行きの下り電車が入ってきた。江ノ電を彷彿とさせるレトロな色合いの電車だった。

この色は、1963年まで三島・沼津間を走っていた路面電車の色で、去年6月20日に、駿豆線120周年記念イベントで復刻されたのだとか。ラブライブのけばけばしいラッピング電車より、私にはこっちの方が落ち着いて好き。

ちなみに大仁駅は、明治32年(1899)に開業し、大正13年(1924)に修善寺駅が開業するまで、駿豆線の終着駅だった。夏目漱石が修善寺の菊屋旅館で大吐血したのは明治43年(1910)だから、あのとき漱石は、大仁駅から馬車で修善寺温泉へ向かったと思われる。井上靖も『しろばんば』に、湯ヶ島から沼津や豊橋に行くときは大仁駅まで馬車に乗って行ったと書いている。

 

【書】「益(益)」(No.75)

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水と皿(べい)とを組み合わせた形。皿の上に水が溢れている形で、溢(いつ。あふれる)のもとの字である。水が溢れることから、「ます、増加する」の意味となる。また「もうけ、ゆたか」の意味に用いる。<白川静『常用字解』より>

これは面白い。一目見てそう思った。これはもう字ではなく絵ですね。甲骨文にはそういうのがたくさんあって、書いていて実に楽しい。

どうやって書くんだろうとはちょっと考えるけど、そんなのどうだっていいという気持ちにさせられる。ちまちま考えるんじゃないよ、見たまんまを書けばいいんだよ。そんな声が聞こえてくるような気がする。

甲骨文を刻んだ頃の人たちは、見たまんまを甲羅や骨に刻んで、それを字と認識して世に残した。うまく書こうとか、そういったことは一切考えなかったろう。さすれば私も、うまく書こうとは考えず、甲骨文を発明した遥か昔の先人に倣って、イメージした形を字に表現しようと思う。

 

【温泉】一二三荘。

 

【タイムラプス】3月24日(日)5:52~8:06の伊豆長岡の空。33秒。

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