いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

子に未来届けんと咲く黄水仙(あ)

今日も朝からクラスの三年生の子に張り付く。

1、2校時で式歌の練習をし、いよいよ3校時、秘密裏に事を進めてきた例の計画が実行される。

式歌の練習を終え、最後に学年主任に練習の成果を聴いてもらおうという段取りで、係りの人が学年主任を職員室へ呼びに行く。職員室ではわざとらしく卒業学年団で最終確認の打ち合わせをしている(はず)。学年主任を泣かそう計画を知らないのは学年主任だけ。

私はそっと体育館フロアから出て、ドアのガラス窓越しに中の様子を見る。式歌指導をした音楽の先生は私に気づき、一緒に加わるよう手招きするが手で×を送って固辞。とても中に入れる雰囲気ではない。そこへパタパタと足音が近づき、まずは学年主任が、続いて担任団が体育館に入って行く。学年主任は指揮台前に用意されたパイプ椅子に腰掛け、担任団はさりげなく合唱体形の列に紛れ込む。生徒の代表が指揮台に上がり、「三年間お世話になりました。(中略。よく聞き取れなかった)私たちの歌声を聴いてください」と言って指揮を始めると、なんと、流れた伴奏が「旅立ちの日に」。ここで学年主任が初めて企みに気づくという段取り。

「旅立ちの日に」は、これまで学年主任がいる式歌練習では一度も歌われていない。学年主任を泣かそう計画のためだけに今日まで隠密にしていた曲である。各クラスの音楽の授業ではなんぼか練習したようだが、私の知る限り、全体で揃って声を合わせたのはたったの一度しかない。それでも、なんだろう、学年主任に対する生徒からのありがとうの思いが十分に伝わる情感たっぷりの歌声で、胸にジンとくるものがあった。

「旅立ちの日に」は今や、小学校でも中学校でも、卒業式歌の定番トップだという。今年の卒業生も小学校で散々歌ってきただろうことは想像に難くない。そういうこともあって、さほど練習しなくてもすっと歌えたのかもしれない。

それにしても、なんていい子たちなんだろう。最後の最後にこんなサプライズを用意してくれるなんて。この歌を聴いて学年主任も感無量だったのではないか。私は体育館入口ドアの窓から様子を見ていただけだったから学年主任がうるうるしていたかどうかは判らなかったけど、ご自身の定年退職も相まってきっと目頭を熱くされていたのではないでしょうか。

 

【季節の花】キズイセン(黄水仙)。

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4校時で下校する三年生を体育館入口で見送り、それを担任の先生に報告したら、「えっ、まだ通知票を渡してないけど」と言われ、慌ててクラスの三年生の子を追いかける。彼はちょうど梅林を下りようとしているところだった。「お~い」と呼び止めて教室に引き返す。その坂道を上る斜面にキズイセンがずらっと並び咲いていた。「花しらべ」には「芳香のある黄色い花」とあるが、ハーハーゼーゼー息を切らし、芳香を楽しむ余裕はなかった。

 

【書】「員」(No.70)

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古い字形は、円い鼎(かなえ。もと煮炊きするための青銅器で、祭器として用いる。貝は鼎の省略形)の上に、口の部分が円いことを示す○(口)を加えたもので、円鼎をいい、「まるい」の意味となる。またその全体をまるく包んで圓(円)の字が作られた。(白川静『常用字解』より)

書き直して三度目の、字というか、これはもうピクトグラムですね。絵を描くのに近い感覚で書きました。

上手い字なんだか下手な字なんだか判断がつかない。だから三度書いて、それ以上書くのをやめた。だいたいこの手の字は、上手い下手といった判断基準が当てはまらない。幼児の落書きと言われれば、そうとも見える。酔っ払って書いたんだろうと言われれば、まあそんなところだ、とでも言っておく。でも、これだけは言える。甲骨文は書いていて、楽しい。

 

【温泉】一二三荘。 

 

【タイムラプス】3月19日(火)5:34~7:35の伊豆長岡の空。30秒。

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