いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

雪柳光の朝を吹き流す(あ)

朝からクラスの三年生の子に張り付く。

4校時の歌の練習では、体育館の入口ドアを閉めきり、音が漏れないようにして「旅立ちの日に」を合唱した。秘密裏に事を運び、卒業式の前日準備で椅子を並べ終えたタイミングで、今年定年退職を迎える学年主任の先生を泣かそうというのである。

その合唱を聴きながら、横浜の高校で最後の卒業生を送ったときのことを思い出し、私も男声パートを口ずさんでいた。そして、こんなにまでしてもらえる学年主任の先生はなんて幸せ者だろうと、ちょっぴり羨ましく思った。

午後は「感謝会」。

一二年生は給食を終えてすぐに体育館に集合し、生徒会歌と合唱曲「青春賦」の練習を行う。が、みんなわさわさしていて実行委員長のマイクの声が通らない。声もバラバラでまとまらず、果たして本番でしっかり歌えるのかと危ぶんだが、三年生の入場が始まると、さすがにみんなピリッとしてきた。

全校生徒による生徒会歌合唱、3年間の思い出ビデオ、お世話になった先生からのビデオレター、応援団のエール、一二年全員のダンスと続き、寸劇を交えてダンスからそのままステージに合唱体形を作る。その間はマイクの指示なし。この日のために、一二年生は昼休みを潰して移動の練習を繰り返してきた、その成果が現れた。そして合唱曲「青春賦」。直前の練習ではどうなることかと思っていたが、その心配を吹き飛ばしてくれる素晴らしい歌声だった。

そして更に素晴らしかったのが、三年生の合唱「ありがとう」(ファンキーモンキーベイビー)。これには鳥肌が立った。これまでで最高の歌声だった。感動で目頭が熱くなった。その歌声を聴かせられないのがとても残念。聴いたら、誰もが感動すると思うよ。

合唱コンクールのときもそうだったけど、今年は二年生も三年生も音楽の授業に張り付くことができたので、声がどんどん合唱の声に作られていく過程をつぶさに見ることができた。音楽の先生のアドバイスはまさにマジックそのもので、一言発するだけで歌がぐんとよくなるのだからすごい。

そんな見事な歌声を聴けるのも一週間後の卒業式だけになった。卒業式では「次の空へ」を全員で合唱することになっている。これもこれまでの音楽の授業でたっぷり時間をかけて練習してきた曲であり、私は二年生の音楽でも三年生の音楽でもそれぞれのクラスに混じって一緒に歌ってきた。

全員で歌うとなると、どれほどの迫力になるのだろう。それを聴くのが今からとても楽しみです。

 

【季節の花】庭のユキヤナギ(雪柳)。

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ユキヤナギの名は、花の咲く様子を雪に、葉を柳に見立てたことに由来する。

うちのユキヤナギはサルスベリの下に植わっているが、他所様の咲き具合と比べてどうも貧弱でいけない。

標準の樹高は1~2mだが、うちのはどうも標準以上のような気がする。サルスベリの本幹を脅かすようにボワボワ生えている。家主が全く手入れする気がないからそうなる。

花はちょうど咲き始めで、もう少ししたら雪が降り積もったように白い花でびっしり覆われる。風が吹けば歌舞伎の連獅子白頭のように乱れ舞い、これからの朝は、コーヒーを飲みながら、和室カウンターでその舞を楽しむのである。

 

【書】「委」(No.64)

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禾(カ)と女を組み合わせた形。楷書体や行書体だとまるで感興をそそらない字も、甲骨文となると感興をそそる。書いてみたくなる。これが「書写」と「書道」の違いか。

白川静『常用字解』によると、禾は禾(いね)の形をした被りもので、「委」は禾(いね)を頭に被って舞う女の姿とされる。田植のとき、ゆたかに稔ることを願って田の舞をするが、そのとき男女二人で舞う。男は立って舞うが、女は低い姿勢でしなやかに舞うところから、「委」には「ひくい、したがう、まかす」などの意味がある。


【温泉】一二三荘。

 

【タイムラプス】3月12日(火)6:02~7:37の伊豆長岡の空。23秒。

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