いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

山茶花や危ふきままに濡れそぼつ(あ)

「北窓塞ぐ」は冬の季語である。
11月2日(金)の毎日新聞「余禄」(デジタル版)は、永井荷風の句「北窓を塞ぎて今日の午睡かな」(厳密には「午睡」は夏の季語だが)を引用して、北海道胆振東部地震や大阪北部地震、西日本豪雨災害で仮設住宅住まいを余儀なくされている方々の冬の備えを思いやっていた。
コラムでは、「夏の風通しを第一に考えた昔の家では北側の窓を閉ざし、目貼りをするのが冬支度だった」といい、「歳時記には同じく『北窓塗る』もある。こちらは壁の窓を土で塗り込めるということで、逆にいえば夏は窓をくりぬいたのだ」と続ける。
地方によって冬支度の力業はさまざまあろうが、私のふるさと青森では、屋根の雪が落ちて窓ガラスが割れないようにと、横板を窓に打ち付けて冬に備えたものだ。
「余禄」を読んで思った。六畳和室の外に作った濡れ縁兼縁の下収納スペースにビニールを張り、温室風に冬構えしたらどうだろう。そうすれば、コーヒーの苗をそこに置いておける……。
たかがコーヒーの苗一つのことにそこまで思い巡らすかと、我ながら「あやしうこそものぐるほしけれ」なのだが、実は、そう思ったきっかけはコーヒー苗の他にもある。
このところの朝方に、濡れ縁側の障子戸を開けた瞬間に外気の冷たさを感じるようになり、「北窓塞ぐ」ではないけれど、ここに何か風除けになるものを張ったら部屋の温度もだいぶ違うのではないかと思ったのだ。
ここのスペースは、もともとはサンルームだった。前のオーナーがそうこしらえてあったのだが、私がそんなものは要らないと、囲っていたアルミサッシ窓を枠ごとすっぽんぽんに取り払ってしまった。今思えば、冬の寒さをちっとも考えない浅はかな早とちりだったが、当時は「家の作りやうは、夏をむねとすべし。冬は、いかなる所にも住まる」(徒然草)という頭だったから、勢いで解体してしまった。
それを今、もう一度サンルーム風に作り直そうというのである。長い垂木なしで、さてどう作り直すか。そいつは見てのお楽しみ。


【写真】庭のサザンカ(山茶花)。

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朝方降っていた雨があがったところで庭に出た。山茶花もだいぶ咲いている頃だと思ったが、なんだ、ほんの数える程しか咲いてないじゃないの。脇から笹竹が邪魔をして開花を妨げているのか。
実は、庭にはもう一本山茶花の木があったのだが、そっちの方は、この夏に物置小屋を建てるのに邪魔だとバッサリ伐ってしまった。もう一本あるからいいやと思ったからだが、そのもう一本が貧相な有り様ではしょうがないね。今度の休みに笹竹を切っといてやるか。


【温泉】一二三荘。


【タイムラプス】11月4日(日)6:17〜8:26の韮山方面の雨空。32秒。

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