いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

お宝の埋もるる庭や天高し(あ)

【写真】庭に穴を掘る孫。

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これは、畑を耕しているのではありません。孫がそんな殊勝なことをするわけがない。私をだまして落とそうと、落とし穴を掘っているのです。
地元の大型ショッピングモールで買い物をした帰りの車で、二人して密かにそういう作戦を立てたのらしい。
家に帰り着くやいなや、物置から勝手にツルハシやらスコップやらを持ち出し、潰したばかりのミニ菜園の跡に穴を掘り始めた。何の穴? とすっとぼけて訊くと、二人でくふふと笑ったあとで、お宝を掘り当てるのだとお兄ちゃんが言う。ほほう、お宝とな、小判が出てきたらいいじいじ、ガラクタが出てきた悪いじいじってえことになるのかなと返して、濡れ縁に腰をおろし、カミさんが淹れてくれたコーヒーを飲みながらお宝掘りを見守る。
二人が掘り始めたら、いきなり横に張った竹の根に阻まれた。これが1本2本じゃない。5、6本はある。ミニ菜園の下にはこんだけの竹の根があったんだと自分でも驚く。やはりここは、もともと菜園にはふさわしくない場所だったかもしれない。潰して正解だ。
竹の根に苦戦しながらなおも掘り進める二人。すると、黒土の層から何やら塊が2個3個と出てきた。じいじ、石炭が出てきたとお兄ちゃんが手に取って私に渡す。見ると何のことはない、拳ほどのコンクリートの塊だ。本人も石炭じゃないことを承知で石炭と口にしたのは、お宝を掘り当てると言った手前、石炭が出たくらい言わないと収まらないとでも思ったか。小学6年になって、だんだんとそんな知恵がついてきたようだ。
コンクリートの塊はそのあと5個ほど出てきた。コンクリートに混ざって陶器のかけらも出てきた。なんだなんだ、この家を建てたときのガラクタか? どうやら私は悪いじいじだったようだ。
でもね、孫に小判のような蓄財を残すより、ガラクタの中からお宝を作り出す知恵を残したほうがいいんじゃないかとは常づね思うところで、孫が伊豆に遊びにきたときにはいいチャンスだと、ものづくりをする中からいろんなことを学んでいってほしいと思っている。
最近は、平塚の人の形見の碁盤が伊豆に来てから囲碁に興味を持ち始め、その興味を伸ばしてやりたいとの爺心で、じいじ石(囲碁のこと)やろうと言ってくれば、よしきたと相手になっている。今は星目置かせて打っているが、そのうち持つ石が逆になるかもしれない。そうなればなったで嬉しいことではあるのだが。
さて、孫の掘った庭の穴だが、どうしても私をその穴に落としたいらしく、今日、孫がカミさんの車で小田原に帰る前に、仕方ないからご要望にお答えして落ちてやった。爺馬鹿ですね。


【温泉】一二三荘。


【タイムラプス】10月14日(日)16:37〜17:40の伊豆長岡の空。31秒。

https://www.facebook.com/aisakajiro/videos/10217649966983157/