いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

我が意志は火種の淡き秋夕焼(あ)

今日の午後は体育館で、石垣幸二氏の夢講座を拝聴。
夢講座とはキャリア教育の一環で、地元で活躍される方を講師にお招きし、いろいろな角度から仕事について語っていただく、というもの。
今回の講師は石垣幸二氏。氏は「深海魚ブームの火付け役」として名を知られ、現在、伊豆長岡にお住まいという縁で講師に招かれた。現在は、ブルーコーナージャパンという会社の代表取締役として、観賞用海水魚の卸販売などを手がける。
講座は、自分がなぜこの業界で仕事をするようになったか、そのきっかけは小学校4年の海遊びに遡るというところから語り始め、深海魚ブームを引き起こしたこと、世界水族館会議に日本の生体業者として唯一参加したこと、横浜中華街によしもとおもしろ水族館をオープンさせたこと、さかな君と知り合い家にも泊めたこと、今でもいろいろテレビ出演の依頼があることなどなど、休憩なしで90分、立て板に水のごとくお話が途切れませんでした。
お聴きすると、国際会議に出席する費用にお子さんの貯金を充てたりとか、相当無茶なこともしてきた由だが、基本的には、今の仕事が好きで好きで仕方がないんでしょうね。
人からは、「好きなことができて羨ましい」とよく言われるそうです。でも思う。好きなことをするだけならそれだけのこと、人のためにするという意識がないと仕事とは言えない。働くとは「はた」を「楽」にすることだと祖母から教わった。そして祖母はこうも言った。やりたいことがあるなら吐くまで(とことん)やれ、と。
そして最後に、みなさんが今抱いている夢を夢に終わらせないで、夢に向かって前へ進んでいって欲しいと締めくくった。
好きなことができて、それが人のためになるのなら、これ以上の幸せはないですよね。石垣さん、素敵なお話をありがとうございました。


【写真】そこだけ赤い夕焼け。

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「暗黒や関東平野に火事一つ」。
これは金子兜太の句で、今日の朝日新聞「折々のことば」(デジタル版)で知った。秀逸な鷲田清一の解説に、「銀行員だった頃、組合活動が理由で左遷された。用事で東京に向かう車中、遠くに火の手が見えた。一瞬、一揆が起きたかと思った」とある。
雨上がりを待って一二三荘に出かけようと最初の角を曲がったら、この、そこだけ燃えるような夕焼けが目に飛び込んできた。同時に、「暗黒や……」の句がパッと浮かんだ。なるほど、俳人はこのような闇に光放った一瞬をとらえて一句したためたのだな。
解説は「自分の中に『希望の火種』があれば、偶然目にした光景にも励まされると俳人は記す」と続くが、私は「偶然目にした光景」に、あっ、きれい、としか感じなかった。私の中では「希望の火種」など、とっくに絶えているのだろうな。だから、ちまちました句しか思い浮かばない。「関東平野」なんて大きな句は到底作れっこない。


【温泉】一二三荘。


【タイムラプス】9月25日(火)5:09〜7:22の伊豆長岡の空。33秒。

https://www.facebook.com/aisakajiro/videos/10217490939527570/