いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

良寛の覚悟蜩鳴き誇る(あ)

新潟呑兵衛旅行2日目。

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昨夜泊まったホテルから眺める日本海は、今朝は荒波も収まり凪いでいた。昨日、遊泳禁止だったホテル前の海水浴場は禁止が解かれ、海水浴目当ての親子連れは、ホテルの前で浮き輪に空気を入れたりしていた。

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朝食後、まず向かったのは出雲崎の良寛記念館。館内には多くの遺墨や遺品が展示され、良寛に関する数多くの書籍も書架に収まっていた。

良寛の書は、小野道風「秋萩帖」をお手本にしたという。あるとき、庵に盗人が入ったが盗む物が何もない。そんな中で盗人は「秋萩帖」を見つけ、それを盗んで行こうとした。すると良寛は、他の物は何でも持って行っていいが、それだけは持って行ってくれるなと盗人に懇願したという。

嘘か真か知らないけれど、無欲恬淡の良寛にとっても「秋萩帖」は、命以上に大事な物だったのでしょうね。私にとって命以上に大事な物って何だろう。

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良寛記念館の坂を下ると良寛堂がある。良寛が生まれた家跡という。背を丸めた良寛坐像は海岸に集う若者たちにどんな眼差しを向けているのだろう。沖にうっすら佐渡の島影が見える。

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出雲崎から海岸道路を北に走って寺泊の「魚のアメ横」を見学。「魚のアメ横」とは、海産物店が軒を連ねる市場通りのことだが、なかなかの賑わいを見せていた。駐車場もかなり広い。

各店で売られる魚貝は新潟産が中心だが、中には北海道産、青森産なども混ざる。中国産のもある。中国産と聞くと買う気が途端に萎えるのは、昔も今も変わらない。どうも中国海産は苦手だ。

次は弥彦神社に向かう予定だったが、レンタカー運転手が「五合庵」を是非見たいと言い出す。「五合庵」とは、良寛が47歳頃から13年間住んだ4.5坪の庵のことで、ここは私も見たいと思った。

「五合庵」は、弥彦神社へ向かう途中にあるはずと運ちゃんは言う。が、住所も電話番号も知らない。それでここだけカーナビで50音検索した。

検索でヒットしたのは1件のみ。ここに違いないとルート案内を頼んだら、行けども行けども案内板が見えてこない。おかしいな、おかしいなと思っているうちに、弥彦神社をはるかに越え、今日泊まる予定の温泉地も越えていた(海岸線を走っていたので気づかなかった)。

念のため、私がiPhoneで検索してみたら、レストランのマークと居酒屋のマークが出た。「そのカーナビの五合庵って、もしかしてレストランとかの名前じゃない? そうだよきっと」

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そこで、五合庵をあきらめて弥彦神社を目指すことにした。弥彦神社の鳥居前で遅い昼食を摂り、境内を一渡り見たあとで、「燕三条地場産センター物産館」まで一走り。せっかくだからと、そこでおろしがね(大根おろし用と生わさび用と)を買う。

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と、そこの観光案内係の人から、なんと、五合庵の情報が得られた。農道を通っていけば速いと、その行き方も詳しく教わるというまさかの展開。なんだ、こっちに先に来ていればどうってことなかったんだ。そうすれば迷わず五合庵にたどり着けたものを。でも、旅って予定どおりにいかないところが、またいいんだよな。

さて、明日3日目の旅は、どんな予定外のことが起こるかな。ワクワク。