いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

枝剪つて空広ごるや梅雨の庭(あ)

一二三荘の帰りにいつもの精肉店に寄ったら、見覚えのある女の子とそのお母さんが店に入って来た。去年、学童で世話をした女の子である。知らぬふりをしようとしたら、女の子が私に気づいた。その様子を見てお母さんが気づいた。「あら、先生?」
女の子の名前がとっさに出てこない。え〜と、え〜と、(名前を言えず)「大きくなったねえ、何年生になったんだっけ?」と時間をかせぐ。
お母さんの背後に後ずさりながら、「3年生」とはにかむ女の子。思い出した、◯◯ちゃんだ。いつも誰かの後ろに回って、自分から何をやりたいと言わない子だった。私が、「何して遊ぶ?」と話しかけても「う〜ん」と言うだけ。「トランプしようか」と言うと、こくりとうなずく。そんな子だった。
うっ、苗字が出てこない。◯□だっけ、◯△だっけ、思い出せ、思い出せ、と思いながら勘定を済ませ、「ではお先に」と店を出ようとしたら、お母さんがつかつかと走り寄って「学童を申し込んだけど定員オーバーで、今年は利用できなくなりました」と言う。
夏休み期間中のことを言っているのか、通年利用のことを言っているのか判らなかったが、私がまだ学童の仕事をしていると思い込んでいるふうだったので、実はこれこれで今は学童の仕事をしていないんです、と言おうとしたがやめた。言ってどうなるものでもない。
学童利用を希望する親御さんは、今どれくらいいるんだろう。今年定員オーバーで利用できなくなったということは、希望者が年々増えているのだろうか。
今の職場の事務の人も学童に子どもを預けていると言っていたが、学校の仕事とか病院の仕事とか、その他フルタイムで働いている女性にとって、学童を利用できないというのは困るだろうな。祖父祖母が近くに住んでいればそこに預ける手もあるが、そういうこともできない人はどうするんだろう。
今日会ったお母さんは別れ際に、「ご縁がありましたらまたお願いします」と言ったが、お母さんにとってみれば学童を利用できないというのは切実な問題なんだろう。明るく言ってたけど、気持ちは沈んでいたのではなかったか。夏休みの学童のお手伝いをお断りした後ろめたさに、ちくっと心が痛んだ。


【写真】雨あがりの庭。

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奥の枇杷の枝を剪定したことで庭が少し明るくなったが、下の草が生え放題だから、依然としてジャングル状態であることに変わりない。
枇杷の右隣の李の枝も剪定すれば、もうちっと空が広がるかなあ。って、先に下草をなんとかしろよ、ですね。夏休みになればまとまった時間が取れるので、そこで何とかするつもり。


【温泉】一二三荘。


【タイムラプス】6月11日(月)5:27〜7:38の韮山方面の雨空。32秒。

https://www.facebook.com/aisakajiro/videos/10216588509087373/
台風5号の影響で、雲の渦が山の向こうの熱海(東)から流れ込んでいるのが判る。