いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

枇杷の実や曇れる空の気をまとう(あ)

体育の授業では、今、バレーボールをやっている。子どもたちと一緒にオーバーハンドパス、アンダーハンドパス、サーブ、スパイクなんてやってる。
かつて、茅ヶ崎の高校に勤めていた頃に男子バレーボール部の顧問を任されたことがあった。その頃のことを思い出しながら楽しくボールを追いかけている。
男子バレーボール部の顧問は5年務めた。バレーボールなんてやったことのない私が顧問をやることになったのは、それまで顧問だった先生が私の赴任と入れ替わりに異動し、顧問に空きができたからである。
当時は体育館を使う部活がバレーボール部、バスケットボール部、バドミントン部の男女があって、フロアの奪い合いが起きていた。バスケットとバドミントンは男女混合でフロア半面を使えるが、バレーボールはそうはいかない。ネットの高さが男女で異なるから同時に練習はできない。そこで、放課後の前半と後半に時間をずらして、前半を女子、後半を男子と分けていた。
前半を女子が使うから、男子は女子の練習が終わるまで待たなければいけない。その待ち時間が嫌で誰も男子バレーボール部の顧問をやりたがらないのだった。
そこで赴任したばかりの私に白羽の矢が立った。私は女子が終わるのを待つことも、帰りが遅くなることも全く苦にならなかったから、大して深く考えもせず「いいですよ」と二つ返事で引き受けた。
引き受けてすぐに、引き受けなきゃよかったと思った。地区大会の試合では、前の試合で負けたチームの顧問が審判台に立つことが多いが、私の場合、何といっても地区がいけなかった。その地区には全国出場経験を持つ実力チームが3校あって、その試合の審判に当たった日にゃ胃が痛くなるくらい緊張するのである。
だいたい、スパイクが強烈すぎて素人審判にはブロックのワンタッチが判別できない。スパイクを打ったチームの選手が「ワンチ、ワンチ」(ワンタッチ)と血相を変えて私にアピールするも、私にはブロックの指に当たったか当たらなかったかなんて判らない。ブロックに跳んだ選手も、「はい、私の指に当たりました」と正直に言うわけもなく、当たっても知らぬふりをする。なんて嫌なスポーツだと思った。
全国出場経験チーム同士が地区大会で激突するのだからたまらない。応援席には横断幕が掲げられ、保護者の声援も多く、それも素人には大きなプレッシャーとなった。ああ、男子バレーボール部の顧問を引き受けるんじゃなかったと、あの時はしみじみ思ったものだが、それも今では懐かしい一コマである。


【写真】庭の枇杷。

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今年の枇杷も、だいぶ黄色く色づいてきました。梅を漬け終わると今度は枇杷です。今度の土日にもいで枇杷酒を作ります。


【タイムラプス】5月31日(木)5:22〜7:50の伊豆長岡の空。37秒。

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