蜜柑咲く踏切の音近くして（あ）

朝、教室へ行ったら、「先生んち探したけど判らなかったよ」と、待ってましたとばかりに言われた。やっぱり私の留守中に探しに来てたんだ。
先週の土曜日に、仲のいい3年生と2年生の二人が、自転車で私の家を探しに来たと言う。寺の脇の急坂を上り、墓地を抜け、公園を抜け、大きな道に出たところで右側に進んだ。その道を真っ直ぐ行ったら家がなくなったので引き返してきた（その道は田中山に通じる）。坂を下って引き返したら住宅地の看板地図があったので、そこで私の家を探したが名前がなかった。その地図は別荘地として開発分譲された当時のままの地図で、私の家は二つ前のオーナーの名前になっている。だから彼らは探せなかった。
その地図は古いもので、新参者の私の名前は書かれていないと彼らに説明する。彼らは私の家を特定できなかったことが悔しかったらしく、また今度行くから家の場所を教えてくれと食い下がる。「そいつは残念だったねえ、すぐ近くまで来ていたのにねえ」とはぐらかしたが、次はきっと探し当てるに違いない。
絶対探してやると鼻息の荒い彼らの冒険心を煽るために、あえてヒントをやらず、悔しかったら探してみろとけしかけておいた。
ゴールデンウィーク後半の4日間のどこかで再挑戦すると読んでいる。住所が判らなくても郵便受けに名前があるからそれで特定できるだろう。玄関のドアに「よくぞ見つけた。褒美を取らす。庭の甘夏を持って帰りなさい。家主はただ今スケッチに出かけて留守です」とでも貼り紙しておこうか。

【写真】甘夏の花

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夕方に撮ったので、花の色がやや黄色みがかっている。ポートレートモードだから背景がぼやけているが、白い綿雪みたいなのは全て甘夏の花と蕾。
ものすごい数です。去年こんなに花咲いたかなあ。これが全て結実するとしたら枝が持たない。摘果は面倒だが、ころんと青い実をつけたら間引くしかないな。
その前に、手の届かない木の上の方にはまだ黄色の大きな実がぶら下がっているから、あいつを全部もぎ取らねば。この連休にやっつけちゃおう。でも、クマンバチが花の蜜を狙ってブンブン飛んでるんだよなあ。クマンバチは人を刺さないけど、なんせ図体がでかいから見た目怖い。