いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

雲重く垂れて林檎の花未だ(あ)

訃報が届いた。
入院闘病していた身近の人は、今日午後6時過ぎ、とうとう帰らぬ人となった。2月に平塚のご自宅で囲碁を打ち、奥さんの手料理に舌鼓を打ち、ではまた次回3月にと言って別れたが、それが永久の別れとなってしまった。
3月の月例会は身近の人の体調が思わしくないとの理由で延期になり、4月に入って月例会の段取りを確認しようと電話を入れたら、奥さんが出られ、身近の人のその後の体調がよろしくなく入院闘病中であることを知った。
囲碁どころではない病状だと聞き、すぐさま見舞いを申し出た。では本人に訊いてみますと言って後日かかって来た電話は、「お気持ちはありがたいが、気力が萎えてきていて会うのがしんどい」というものだった。
すっかり見舞う気持ちでいた私は、そのとき何だか嫌な予感がした。奥さんは「本人は病院生活に飽きていて、家に帰りたがっている」とも言った。「では、体調が恢復した頃合いを見計らってご自宅へ伺います」と言って電話を切ったが、嫌な予感はずっとくすぶっていた。
このまま二度と会えないのではないかという気持ちが日増しに強くなるが、こちらはただただ身近の人の奇跡を祈るしかない。祈って、祈って、祈って、祈り続けて、そして今日、とうとう訃報の知らせを受けた。
身近の人が今際の際に思ったことは何だろう。看取った奥さんや無二の親友に告げた最期の言葉は何だったろう。
吉永小百合と同じ月に生まれたと言っていた身近の人は、この3月、73歳になったばかりだった。高校生に数学を教え、映画監督の山田洋次に似た風貌を持つ身近の人は、哲学の人でもあった。晩年はヘーゲル哲学に傾倒し、ただ呑むだけで能がない私の脳を刺激してくれもした。
また、私が朝日新聞デジタル版で「天声人語」が一部しか読めなくなったとぼやいたら、ではと自ら新聞を切り抜いて月例呑み会で切り抜きの束を私に渡してくれたりする人でした。
私もまだ心の整理ができていません。ご冥福を祈ります。


【写真】鉢植えのアルプス乙女。

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3月26日に修善寺のホームセンターで買って来た鉢植えのアルプス乙女(ミニリンゴ)が、こんなに葉をつけた。鉢はコーヒー苗を枯らしてしまったのをそのまま使った。
リンゴの花期は4月だが、今年は植えたばかりで花を見ない。結実は二度目の秋というから、これまた来年を待たなければいけない。まあ、花が咲かなければ実も生らないしね。楽しみながら待つとしましょう。


【温泉】一二三荘。


【タイムラプス】4月26日(木)5:37〜7:54の伊豆長岡の空。34秒。

https://www.facebook.com/aisakajiro/videos/10216223500802394/