いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

麦を踏む子らや歩幅を違へつつ(あ)

午前中、クラスの子を連れて浮橋へ麦踏み体験に出かけた。
浮橋は伊豆の国市の田中山と伊豆スカイラインの通る半島の尾根とに挟まれた盆地で、ここで小麦を栽培している。先週行われた「パン祖のパン祭」の高校生パンコンテストに「伊豆の国産全粒小麦部門」があったが、そこで使われたのが浮橋産の全粒小麦粉(小麦の表皮、胚芽、胚乳をすべて粉にしたもの)である。
また、「浮橋うどん」もここの小麦を使っている。「浮橋うどん」はスーパーでは販売されない、従ってなかなか手に入らないうどんである。私の知る限りでは、売られているのは大仁の「ひらい精肉店」だけだ。
なぜ精肉店でうどんを売っているかといえば、そこの精肉店の直営牧場が浮橋にあり、浮橋繋がりで販売しているのである。もっと広くスーパーやコンビニで売ればいいのにと思うが、それだけ手広く扱うだけの生産量がないのかもしれない。だから「幻」と言われる。「稲庭」のように全国に名を知られれば幻でなくなるものね。
麦踏み体験があることは1週間ほど前に知った。9月の最初に渡された年間行事予定には記されておらず、去年の秋頃に急遽参加する話が持ち上がり、職員会議で了承されて、我がクラス6名だけが参加することになったといったところだろう。それで、出発前に職員室と校長室で「では、行ってまいります」の挨拶をしたんだな。
浮橋までは2台のタクシーを使った。浮橋公民館に着くと、屋根にはまだ先日の雪が残っていて、風がめっぽう冷たい。一人の子が雪にはしゃいで玄関前の雪で雪玉を作ろうとするが、サラサラで雪玉にならない。同じ市内でも山間部に入ると明らかに気温が異なる。体感的には3℃以上低い気がした。
麦踏み体験には大仁の幼稚園児たちも参加した。幼稚園児たちはマイクロバス2台でやって来て、そのまま麦畑に向かった。我々は世話人の乗用車や軽トラックに分乗してそのあとを追いかける。
畑はまだ濃い雪化粧が残っており、雪の上から麦を踏むのかと思っていたら、世話人の人が雪の比較的溶けた方へ我々を案内してくれた。
この寒い時期に麦踏みをするのは霜で浮き上がった麦の根を土に戻すためだとの説明を受け、そのあと幼稚園児たちの列に混じって我がクラスの精鋭たちも麦踏みを始める。ここで私は長靴を用意しなかったことを悔やんだ。麦を踏んだ後の土がグニュグニュに柔らかくなり、みるみる子どもたちの長靴が泥だらけになっていく。
長靴は、持って出ようと昨日のうちに家の玄関に用意してあったが、大したことなかろうと持って出なかった。麦踏みは初めてだが、日頃の畑作業の具合を見れば長靴が必需だとは容易に知れるはずだった。甘かったとしか言いようがない。それで、まだ雪の溶け残っている場所だけ麦踏みに加わった。
そのうち、幼稚園児たちは雪上でかけっこを始めた。かけっこの後は「だるまさんがころんだ」。それを目を細めて見守る世話人たち。こういうふれあいを通じて子どもはお年寄りをいたわり、お年寄りは子どもの健やかな成長を見守る。いいなあ、こういうの。また来年も参加したいな。もちろん次はちゃんと長靴を用意するから。
麦踏みの後は公民館に戻ってお汁粉をいただく。お汁粉の他にタクアンとミカンがテーブルに運ばれ、しばしの舌鼓。「おかわりをどうぞ」の声に、食べ盛りの我が精鋭たちは待ってましたと3杯4杯おかわりに立つ。タクアンもバリバリボリボリ、あっという間に4皿を平らげ、幼稚園児たちに「わあ、お兄ちゃんたちすご〜い」と言われる。おいおい、そんなに食ったら給食を食えなくなるだろうとは要らぬ心配。学校に戻っての給食も見事に平らげていました。
お汁粉のお餅は、今日の参加者のために昨日わざわざ搗いてくださったと後で知った。搗き立てのお餅をありがとうございました。ごちそうさまでした。美味しくいただきました。

【写真】浮橋の麦畑。

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【温泉】一二三荘。

【タイムラプス】1月26日(金)6:15〜8:00の伊豆長岡の空。26秒。

https://www.facebook.com/aisakajiro/videos/10215379004410512/

【歩数】4,789歩。