いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

若き技集ふ寒九のパン祭(あ)

今日の6校時、1学年の「総合の時間」に中学校近くのパン屋「ベケライ・ダンケ」のご主人の講演を子どもたちと一緒に聴いた。ご主人は「パン祖のパン祭」の実行委員長を毎年務めている方で、中学校のPTA会長さんでもある。演題は「働くということ」。職業教育の一環としてお声がかかったようだ。
ご主人はドイツでパン作りを学んだ。その時の体験を面白おかしく語ってくれた。
某製粉会社の推薦でドイツに初めて行った時、まずびっくりしたのは、トイレ。用を足すにも便器が日本人の体型に合わず難儀した。便座も大きくて、下手をしたらお尻がスポンと穴に落ちてしまうくらいだと言う。ご主人はだいぶ小柄な方で、その仕草を想像して思わずクスッと笑ってしまった。
ドイツのパン作りを教わろうにもマイスターは教えてくれない。やむなくコミュニケーションを駆使して信頼関係を築き、技術を盗むようにして身につけた。教えてもらうのではなく、仕事は自分で覚えることが大事だと知った。
ところが、ドイツで身につけたパンの作り方を日本でやろうとすると上手くいかない。ドイツのパンは小麦ではなくライ麦を使う。生地が違う水が違う。それで日本に戻って自分で一からパンの作り方を考え直した。
日本で使用される小麦粉の約70%を某大手製パン会社が独占していて、残りを我々リトルベーカリーが使っている。小麦の使用量で絶対的な差があるのだから、我々は大手が作らないパンを工夫して作らないといけない。
スーパーで売られるパンはレベルの低い小麦粉を使っている。だから安くできる。安くして売れればいいと考えるから本物のパンはどんどんなくなっていく。本物のパンを作るにはいい素材を使わないといけない。私はその努力をしている。「パン祖のパン祭」で全国から高校生を集めコンテストを行うのも次世代の若者を育てるためだ。
私はパンを作る前は電気工事、ペンキ屋、その他いろんな仕事をやってきた。その全てが無駄ではなかったと思っている。仕事が自分に向く向かないではなく、自分に向かせるようにしないといけない。今はなんで数学を勉強しなきゃいけないの、なんで英語をしなきゃいけないの、なんで漢字を覚えなきゃいけないのと思うかもしれないが、それは将来必ず役に立つ。中学生はその基礎固めをする時期だ。人の3倍努力しなさい。そのやる気が君たちに道を開いてくれます。
お話があっちこっちに飛んだけど、さすが、PTA会長さん、最後はピタッとそこに話を持ってきました。
貴重なお話、ありがとうございました。

【写真】「パン祖のパン祭」のチラシ。

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先日、職員室の机の上に配られていた。「パン祖のパン祭」は今年で12回目。伊豆の国市が誕生したのは2005年4月だから、このイベントは翌年1月からずっと行われていることになる。どんなものか一度見てみたいと思いながら、なかなか機会が得られないでいた。
私はパンが特に好きというわけでもなく興味もあまりないが、「全国高校パンコンテスト」には興味がある。全国から予選を勝ち抜いて集まった現役高校生がどんな戦いを繰り広げるのかを見てみたい。
それで実技審査は1/20(土)に「べケライ・ダンケ」で行われるというではないか。しかも「見学自由!」とある。やったあ、これはぜひ見に行かなくては。

【温泉】一二三荘。

【タイムラプス】1月16日(火)6:20〜8:01の伊豆長岡の空。25秒。

https://www.facebook.com/aisakajiro/videos/10215280088337672/

【歩数】6,141歩。