いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

金木犀築四十年の廬かな(あ)

2週間ぶりに囲碁を打てると今日を楽しみにしていた。

でも、考えてみたら今日は秋分の日の祝日で水晶苑は休み。何だ、がっかり。

それで、今日は一日中iCloudのデータをハードディスクにダウンロードしてiCloudの空き容量を増やす作業をした。

というのも、とうとう第三代のiPadがうんともすんとも動かなくなり、出番のなかった第二代のiPadを復帰させたら、iCloudの空き容量が残り少なくなったとメッセージが出たから。たぶん復活させたiPadのバックアップ分が容量を食ったのだと思う。

これまで200GBの容量をアップルに月400円支払って使っていたiCloudだが、今はその使用頻度もめっきり減った。

もともとiCloudには「自炊」した本をPDF化して保存してあり、ハードディスクを持ち歩かなくても藤沢でも伊豆でも、あるいは移動中の電車内でもデータを取り出せるようにしてあった。しかし、伊豆に引っ越してからはその必要もなくなり、それで今日、容量不足のメッセージが出たのを機にiCloud内からデータをハードディスクに移し換えて空き容量を増やすことにした、というわけです。

今日のところはまだ作業の途中だけど、作業がすべて終わればたぶん100GBは空く予定。


【写真】庭の金木犀。

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朝、タイムラプス撮影でデッキに出たら甘い香りが漂ってきた。金木犀である。

今の家に住み始めた頃は、金木犀の枝はまだ屋根の高さに達していなかった。それが今や屋根の軒を50cm越えるほどになった。

金木犀といえば、三嶋大社の金木犀が有名。昭和9年に天然記念物に指定され、樹齢1200年と推定される巨木である。ここの金木犀の香りは遠方2里(約8km)先まで届いたと伝えられるが、そんなわけないだろと思いつつ、でもそんな思いを抱かせるくらいの風格は、大社の金木犀にはある。

うちの金木犀がそんな具合になったらどうしましょう、というのは要らぬ心配。せいぜい10年先の成長を見届けるくらいが関の山かな。それくらいはできそうだ。いや、それもどうかな。

昨今はお墓も様変わりして、墓石の下に眠るのではなく、樹木を墓標とするのもあるらしい。樹木葬というのだそうだ。遺骨を埋葬するたびに新しい苗木を一本植えるケースや、墓地の中央にシンボルとなる樹木を植え、その周辺の区画に遺骨を埋葬するケースなど様々な方法があるという。

ならば、住み慣れた家の庭木の下に遺骨を埋葬するケースもあるかといえば、それはない。「墓地、埋葬等に関する法律」(昭和23年制定)があって、許可を得た場所に埋葬しなければいけないことになっている。

死んでも法律に縛られるなんて窮屈この上ない。慣れ親しんだ家の庭木を墓標にするわがままくらい許してくれたっていいじゃないか。どうせ仏壇に位牌を祀って線香を立てるのであれば、その代わりを庭木がしたっていいだろう。その下に遺骨を埋めたって誰に迷惑がかかるわけでもあるまい。かえって人間死ねば皆土に還るということを、文字どおり感じることができるではないか。死んでも魂は木になって親しい人を見守っているという図を思い描けるではないか。

もしそれが許されるとしたら、私は何の木になろう。金木犀か、梅か、松か、百日紅か、八重桜か、木槿か、椿か、山茶花か……。う〜ん、悩ましい。今のところは匂いに勝る金木犀にしておくとしよう。甘く優しい香りが、きっとみんなの心を癒してくれるだろうから。


水墨画】鶏頭(No.54)

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鶏頭、と言えば真っ先に正岡子規の「鶏頭の十四五本もありぬべし」を思い出す。1900年9月に子規庵で行われた句会で出された句とのことだが、この句のどこがいいのか判らないでいた。で、今でも判らない(そういうお前の句だって似たり寄ったり)。ただ、鶏頭と言うとこの句がパッと思い出されるのは、そうさせる何かが句にあるからなのだろう。言葉以前の感覚のアンテナがそこに反応したのかもしれない。

描いている間、ずっとそんなことを思っていた。


【温泉】一二三荘。


【タイムラプス】9月23日(土)7:27〜10:04の伊豆長岡の空。39秒。

https://www.facebook.com/aisakajiro/videos/10214313755699960/


【歩数】492歩。