いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

墨青き象形文字の白露かな(あ)

朝、孫を連れて内浦漁港の朝市に出かける。
9時を回りピークの時間を過ぎていたせいか、どのテントも客はまばらだった。カミさんはアジの干物を15枚も買い、孫二人は揃ってかき氷ブルーハワイを買った。「どちらから来たの」とテントの人に訊かれた孫どもは「小田原」と答え、「あら遠くからよく来たねえ」とシロップを多めにかけてもらっていた。
朝市の帰りは、カミさんが右折するT字路を間違えて直進したため、狩野川放水路沿いの道をぐるっと迂回する格好になってしまった。おかげで「冨久家」のロールケーキをゲットできたので結果オーライ。ここのロールケーキは人気で午前中には売り切れになってしまうのです。私はケーキを食べ慣れないから味はよく判らないが、カミさんと孫娘は旨い旨いと言って食べていた。女性への土産としては好まれるのかもしれない。
食べた残りは、昨日、カミさんと入れ替わりに小田原へ帰ったママへの土産にと冷凍庫にしまっておいたのに、入れたまま忘れて帰っちまいやがった。どうすんだよ、一人でロールケーキなんかガバガバ食えないぞ。

【写真】久々の書。

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これまで水墨画用の小筆に親しんでいたが、今日は久々に書道の筆に持ち替えた。来月に行われる特別支援学級の展覧会に出品する書写作品の指導をしてくれと頼まれたことで、昔取った何とかの錆を少しでも落としておこうと思った。
硯は狩野川公園の骨董市で手に入れた端渓硯。墨は日本語教師として中国に派遣された元同僚から土産にもらった青墨(これは現在、水墨画の勉強にも使っている)。筆はヤフオクで落札した20本束の中古品のうちの一本。
これで半紙に「土」を一文字書いてみた。なぜ「土」か。それは今から30年ほど前に書家・榊莫山を特集したNHK番組をたまたま見て、「土」にこだわり、様々な「土」を書いてみせたことが強く印象に残っていたから。番組では、とめ、はね、はらい、を全く気にせず、自然体で味のある字を書いていた。
校長から展覧会出展のための「書写」指導を頼まれた時、真っ先に思い浮かんだのが榊莫山の「土」だった。あんなふうに字を書けたらどんなにいいだろう。心の底から湧き出る情感を、きっと彼らなら表現できるのではないかと思った。
よし、象形文字を書いてみよう。象形文字なら形が元の姿の名残をとどめているものが多いから、絵を描くように楽しく字を書けるかもしれない。どれどれ、象形文字にはどんなものがあったっけ。
iPhoneアプリ「旺文社 漢字典 第二版」の索引に「象形文字一覧」というのがあって、そこから出て来た順に常用漢字だけ拾って50枚ほど書いてみた。その中で、初めて書き、これは面白いと感じたのが「鹿」と「亀」。まるで絵を描いているようで楽しかった。
字をうまく書こうとするとどうしても力んでしまうところがあるが、象形文字だとそんなことを一切気にしなくていい。楷書や行書よりもリラックスして楽しく書けると思うのだが、そう思うのは私が、いろんな書き方をちょっと学んだ経験を持つ身だからかもしれない。
とまれ、明日の書写の授業は象形文字の話から入っていこうと思う。それで当たりを見てから展覧会に向けての準備をしていこうと思っている。
いやあ、まさかこの歳になって書(写)を教えることになろうとは思ってもみなかった。

水墨画慈姑と蓮根(No.36)

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慈姑(くわい)というのは奈良時代に中国から伝来したといわれ、正月のおせち料理に珍重されている野菜。小さな球形から先のとがった芽が伸びている姿から「芽が出る」と、昔から縁起をかつぐものとしてめでたい席での料理に使われるという。
初めて知りました。故郷青森では不幸にして慈姑を食べる習慣はなかった。一度食べてみたいが、めでたい席に就くことはもうないだろうから、これから先も口にする機会はたぶん、ないな。

【タイムラプス】9月3日(日)6:15〜8:25の伊豆長岡の空。32秒。

【歩数】2,693歩。