朝早くから北隣さんにお客さんがあって、賑やかな話し声が聞こえてきていた。
そのお客さんが帰った後、奥さんが家に顔を見せた。梅をもいだからちょっと来て、と私を呼ぶ。呼ばれるまま隣に行くと、玄関にもいだばかりの梅が大きな袋にたくさん入っていた。賑やかな話し声はわいわい梅をもいでいる声だった。
「梅酒、作る?」と奥さんは言う。先日、私が甘夏のマーマレードをあげたことで、マーマレードを作るくらいの人なら梅酒も作るに決まっていると私のことを見たのかもしれない。枇杷酒は作るが梅酒は作らないとも言えず、だいたい梅酒は飲む習慣がないとも言えず、果実酒用の8L瓶を持ち出されるに及んで、とうとう断れなくなってしまった。「はい、作ります」。
では、これに入れなさいと渡されたビニール袋に、「1kgいただきます」と実を詰め始めたら、1kgでは足りない2kg持って行きなさいと詰めるのを手伝ってくれる。そして、2kgくらいの分量に達したところで私が重さを測ろうとすると、歯がゆそうに私から袋を奪い、用意した体重計で自分の体重を測った後、梅の実を詰めた袋を持ってもう一度体重計に乗ったものだ。自分の体重が私に知られることなんてまるで気にしない。
隣の奥さんはとても気のいい人なのだが、どうも梅酒を作ろうという気になれない。今年は枇杷酒で十分という思いがあった。持ち帰った8L瓶と梅の実を庭のベンチに起き並べ、さてどうしたものかとカミさんに相談したら、梅シロップにしたら? それなら孫も炭酸割りして飲むんじゃない? と言う。そうか、それだ、よし、梅シロップにしよう。
というわけで、次は梅シロップを作ることになりました。
【写真】クラシックカーの模型。
模型はだいぶ汚れていたが、ちょうど2台だし、孫のおもちゃにどうかと思って、そばにいた係員に持ち帰っていいか訊いてみた。そうしたら、「いいよ、ライターだけど」と言う。へええ、ライターだったんだ、ボンネットに穴があるけど、そこから火が出るんだなと手に取って見ていたら、「それよりもっといいのがあるよ」と言って係員は、別の場所に置いてあったカゴからもう1台模型を持ってきた。持ってきて「はい、500万円」と言って私に手渡す。それが3台並んだいちばん右のやつ。
係員が別にしてカゴに置いてあったということは、本人も捨てるには惜しいと判断したということだ。捨てられたゴミの中から思わずお宝を見つけ、家に持って帰ろうと取って置いたのかもしれない。
いずれにしても、思わぬところでクラシックカーの模型を3台も手に入れることができた。孫たちは動かないクラシックカーよりも動くラジコンの方を喜びそうだが、孫のパパとママはどちらもアンティーク好みだから、小田原に持って行ったらたぶん喜んでくれるんじゃないかな。
【淡彩画】逆光の町並み(No.100)
ポイントは「白い雲や路面などの日なたは白く塗り残すくらい明るく描き、影の暗さとのコントラストを際立たせる」こと。
シルエットになる部分をだいぶ暗く描いたつもりだが、手前のビルはもう少し思い切りよく暗くしてもよかったか。
【タイムラプス】6月12日(月)5:26〜7:50の伊豆長岡の空。35秒。
【歩数】2,834歩。