いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

堤防に竿しなれるや薄暑光(あ)

シロギス釣りをやろうと道具を揃え始めたらクーラーがないことに気づいた。
カミさんが引越の荷物整理で捨てたに違いない。まだ十分現役で使えたのに、惜しいことをした。私が、クーラーを捨てないように言わなかったのがいけない。
それで、シロギスを釣るにはまずクーラーを用意せねばと上州屋函南店にバイクを走らせた。ところが、店の奥の棚に積まれたクーラーの値段を見てびっくり。9Lの小型のだって1万もする。クーラーなんて遠い昔に買ったきりで、昨今の相場をまるで知らなかった。げげ、これじゃ手が出ないや。
シロギスを釣る気は満々だけど、本格的に釣りにのめり込む気はない。それにバイクに乗せるには大きいのでは乗らない。小さいのでいいんです、小さい発泡スチロールので。と思って店内を探したら、ない。
そんなはずはないとぐるり一周くまなく探したら、あった。餌売り場の冷蔵ケースの上の棚にあった。4Lから12Lまで大小様ざま。バイクの足元に乗っかる大きさで、もし30cmクラスのシロギスが釣れても入れられる大きさということで7Lのを選んだ。もうこの段階で30cmの大物を釣る気でいるのだからお目出度い。
店から狩野川の左岸を上流に走って口野口(くちのくち)に出る。ここは狩野川放水路の水が駿河湾に注がれるトンネル出口があるところで、右折すると沼津市街、左折すると土肥・松崎方面になる。右か左か迷ったが、まだ堤防の先端まで行ったことがない木負(きしょう)堤防に行ってみようと決めて左折。
ここの堤防の駐車場は有料(1日400円)で、前に一度行った時に有料と知って引き返して来たことがある。ところが今日は駐車場の入口に人がいなかった。時計は午後3時を回ったところ。この時間になれば駐車料金が無料になることを知って向かったわけではないが、結果的に無料で堤防の先端まで行くことができた。
堤防には、平日の割にはだいぶの人が入っていた。シロギス狙いの人を探したが、そういう仕掛けの人は一人もいなかった。
と、堤防の中程を通りかかった時、外側に向けて出していた置き竿にググンとあたりがあった。その竿の隣で釣りをしていた人が、すかさずあたりがあった竿を手に持って合わせる(針が魚の口にがっしり刺さるようにする)と竿がギュンと弦月にしなる。そして反対の内側にいた仲間の名を呼ぶ。呼んで竿をその仲間に渡しながら「さあて、うまく釣り上げられるかどうか、こいつは見ものだ」と意地悪っぽく言う。どうやらしなった竿の持ち主は釣りを覚えたての人らしい。
しなった竿は寝かしてはいけない立てなくてはいけない。寝かすと獲物は岩穴に逃げ込もうとして、それでハリスが岩に擦れて切れてしまうことがある。が、その人は獲物の引く力に負けて竿を寝かしてしまった。その瞬間、果たして心配していたことが起きてしまった。せっかくの獲物をばらしてしまったのである。
あの強い引きは何だったんだろう。引き具合から推してクロダイだったような気がするが違うかもしれない。姿を見られず残念しごくだが、意外にばらした当人はそれほど悔しがってはいなかった。写メを撮ろうと構えていた仲間は「やっちまったか、あはは」と嬉しそうに笑っていた。

【写真】木負港(沼津)の堤防。

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全長300mもある長い堤防。釣り人のほとんどが外側に竿を向けていた。大きなアオリイカを釣り上げた人もいたが、その人は餌に活きアジを使っていた。

【淡彩画】茅葺の門(No.79)

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ポイントは「側面や軒下の茅の厚み、葺き重ねの境目の段々にある影の暗さを描くことで茅葺の重厚な立体感を出す」こと。
茅葺の上部が重すぎた。こんなに大きいはずがない。下描きの段階で気づくべきだったが、全く気がつかなかった。細部にばかり目が行って、まだまだ全体を見る目ができていません。

【あやめ湯】17:55〜18:36(3〜4人)

【タイムラプス】5月16日(火)5:49〜8:21の伊豆長岡の空。37秒。

【歩数】1,701歩。