いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

家具退けば畳の青き弥生かな

引越一日目。

引越業者「勉強しまっせ」は、午後3時半少し前にやって来た。予定では3時から作業開始になっていたが、渋滞に巻き込まれて到着が遅れるとの連絡を受けていた。

まず代表者一人が家にやって来て、運ぶもの運ばないもののチェックをし、運ばないものに黄色い布テープをちぎってペッペッと貼っていく。その手際のよさに感嘆。

次に支払い。現金は釣銭のないように用意した。お確かめくださいと封筒のまま渡し、札の数え方に注目したら、これまた銀行員かと見紛うばかりの滑らかな指さばき。引越業者は基本的に現金でやり取りするから、自然に札の数え方もサマになっていくのだろうか。私だったら、定めし一枚二枚と指を舐め舐め数えるところだろう。

代表者はトラックの駐め場所を確認した後、程なくして仲間を一人連れて部屋に戻って来た。いよいよ作業開始。

最初、洋服タンスなどの大型家具あたりから運び出すのかと見ていたら、積み上げたダンボールから片付けはじめた。そのうち、いつの間にかもう二人加わって合計4人。

おや? 若い女性の声がする。そう、その女性も「勉強しまっせ」のユニホームを着た作業員だった。これならあたしも持ち運べるかしらと言って持ち上げたのが、なんと洗濯機。引越作業は男仕事の世界だとばかり思っていたらとんでもない、今はこういう力仕事も女性が行なう時代なんですね。

4人して食器棚を運び、冷蔵庫を運び、ベッドを運び、そして最後が観音開きの洋服タンス、のはずだった。

ところが、この洋服タンス、作業員が扉を閉めようとしたが閉まらない。扉が閉まらないと指摘され、見ると蝶番の金具が壊れていた。1箇所ではない3箇所も。カミさんと一緒に暮らしはじめた時に買ったタンスで、かれこれ35年になるから相当ガタがきていたんだな。そういえば十数年ずっと開けっ放しだった。開けっ放しでタンスに入りきらないカミさんの洋服をそこに積み上げていたのだった。そうか、3箇所もイかれていたか。

「10分間サービス」というのがあって、そのサービスで直すことも可能です、と代表者は言ってくれたが、3箇所も金具がダメになっているなら、いっそ全部取り外しちゃってください、それで本体と扉を別々に運んでもらうと助かります、と言ってそうしてもらった。金具は伊豆で全部新しいのと取り替えるつもり。もしくは、扉なしで今までのように使うつもり。

部屋の荷物を全て積み終え、最後の最後に小田原便に自転車を積んでもらってストップウォッチを切ったら、作業開始から1時間48分47秒。たったこれだけの時間で全ての部屋から荷物が消え、おお、こんなに広かったんだと、入居した頃の24年前と、それからの24年間をしみじみ振り返ったことだった。(あ)


【写真】代表者にタンスの金具を取り外してもらっているところ。

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【淡彩画】打ち寄せる荒波(No.49)

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ポイントは「白波の影は岩壁より明るく、白波より暗いので、青味がかったグレー系色を使って、濃くなりすぎないように気をつける」こと。

「白波の影は岩壁より明るく」とあるのに、岩壁がやけに明るくなってしまった。

この岩壁、水をたっぷり含ませ、色が自然に滲むように心がけた。

私は、淡彩画の真骨頂は滲みにあると思っていて、目指す表現のゴールをそこに定めている。それで、今回は鉛筆での下描きの段階から、どんな具合に滲みの効果が出るかわくわくしていた。しかし、滲みという点ではある程度の効果は感じられたものの、十分な暗さを出すという点では、大いに不満が残る結果となった。

淡彩画は、絵具が濡れている時と乾いている時とでは色合いがまるで違う。その感覚かまだつかめない。


【歩数】9,171歩。