「一太郎2017」を買うかどうか迷っている。
昨年は「一太郎2016」を真っ赤なタブレットPCとセットで買った。ところが、4月に仕事が変わってからというもの、タブレットPCはバックパックリュックに仕舞われたままで、藤沢と伊豆をいたずらに往き来するばかりになっていた。
私と一太郎との付き合いは長く、1987年に「一太郎ver.3」が発売されて以来ずっと一太郎に親しんできた。当時はフロッピーディスクを差し込んで起動させる時代だった。
あれから30年、Windowsの進化とともに一太郎もバージョンアップを重ね、今年もまた2月に新バージョンが世に出ることとなった。
毎年のように新機能が追加される一太郎だが、さて、今年の目玉は何だろう。
郵送されてきたパンフレットを見ても、これといった特長を見出せない。表紙のど真ん中に「あなたにぴったりの一太郎 一太郎オーダーメイド」というキャッチコピーがデンとあるが、そのコビーがいかにも苦し紛れのようで、いよいよ新機能のネタも尽きたか、あなた任せの方向に転換したかという印象を拭えない。
「あなたにぴったり」の「あなた」って、例えばどんな人を想定しているのだろう。と、パンフレットのページを繰ってみると、これがどうやら小説家のような「もの書き」を想定しているらしいのだ。
「文章入力と、限られた機能を繰り返し使うスタイルが多い方のために、特別なファンクションキーセットをご用意しました」って、要するに、マウス操作を極力減らして、キー操作で簡単に入力できるようにしたというわけですね。それならWindowsでショートカットキーを設定すれば済むことで、別に目新しいものでも何でもない。以前からあった。
もの書きといわれる人が日本に何人いるか知らないが、そういう人が全員「一太郎2017」を買ったとして、はたして採算が合うのだろうか。甚だ疑問に思われる。
何としても利益を上げなければならない会社は、あの手この手でバージョンアップを図ってほら買えと迫るが、エンドユーザーはもうこれ以上の機能を欲していない。
これを使えばあなたも小説家になれますと言われれば、ではこれで芥川賞でも狙ってみますかとなるかもしれないが、そんなわけねえだろ、なのだから、買う人はきっとこれまでのユーザー以上に増えはしないのである。
さて、私はどうしましょうか。買いますか? やめときますか?
私は小説家になろうなんていう気はさらさらないし、なれるはずもない。趣味でブログを書くのがせいぜいである。
その程度なら、別に特別なファンクションキーセットなんて要らない。今の「一太郎2016」で十分、というか一太郎そのものを使っていない。
ただ、新し物好きの私としては、ちょっといじってみたい気持ちも捨てきれない。それで迷っている。所詮小説家にはなれないが、小説家の気分にはなれるかもしれないかな、なんて。
「一太郎2017」の発売は2月3日(金)。はてさて、どうしたもんじゃろのう。(あ)
【歩数】11,595歩。