いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

赤手袋放り投げ孫逆上がり

月齢14.8の月が西の空に残り、伊豆長岡駅へ向かう坂道は思いの外明るい。
冬の月は三日月が似合うと思っていたが、どうしてどうして満月だって捨てたものではない。川面に映る月影が悠久の歴史を感じさせ、何ともしみじみとした心持ちになる。

f:id:jijiro:20170114052904j:plain

今日は孫の世話で伊豆から藤沢に向かう。三島駅でいつもの東海道線上り電車に乗り換えると、湯河原駅と続けて真鶴駅から女子中学生が乗り込んできた。湯河原中学校のバスケットボール部員らしい。真鶴町には真鶴中学校が駅前にあるのだが、その真鶴中学校から西へ100mほど行けばそこはもう湯河原町で、そこに住む中学生は目と鼻の先の真鶴中学校ではなく、2km離れた湯河原中学校に通う。その子たちが真鶴駅から合流するのである。
彼女たちは小田原駅で降りるかと思ったがそうではなかった。電車に乗ったままである。試合会場に向かうようなのだが、どこまで行くのか分からない。
電車は鴨宮を過ぎ国府津を過ぎて二宮に至る。その頃には、私の乗った車両のドアとドアの区画は、ほぼ中学女子バスケットボール部員で埋め尽くされてしまった。最初は同じ車両ながら散り散りに座っていた子たちが、駅に到着する度に空く席を随時埋めていくのだからそうなる。
総勢20名にもなるだろうか。それだけの数の女子中学生が揃えば、ピーチクパーチク会話は途切れることがない。そのうち私の真向かいの席に座っていた子が、大きなスポーツバッグを膝の上に抱きかかえながら唐突に、いちばん楽な仕事って何だと思う? と隣の子に訊いた。
藤沢に着けば孫の世話が待っている私は、乗車中にブログを書き上げなくてはと必死になってiPhoneと睨めっこしていたのだったが、その質問に興味がわき、顔を上げて訊かれた子の方を見た。すると、訊かれた子はしばらく考えるふうで、そうねえ、政治家かしら、と言ったものだ。だって、言いたいことだけ言って何もしないじゃん、だって。
へええ、政治家ですか。今時の女子中学生は、政治家がいちばん楽な仕事だと思っているらしい。これは私も意外でした。
その子たちは辻堂駅でも降りなかった。一体どこまで行ったんだろう。
藤沢のマンションに着いたら、孫たちから荒々しい出迎えを受けた。昨夜のうちにカミさんが小田原から連れてきたらしい。孫たちと一緒に朝食を済ませた後、トイレに籠ってブログの続きを書こうとしたが、早く出ろ出ろとドアを叩かれブログどころではない。
これは孫たちが帰るまではブログをアップできないと諦めてトイレから出ると、カミさんがストーブの前で寝そべっている。孫の世話は全てあんたに任せた、の姿勢である。
しょうがないから孫を連れて散歩に出る。散歩はお決まりの小学校ブランコ・コース。その前にマンション敷地内のタイヤブランコでウォーミングアップ。このタイヤブランコは小さい頃から二人のお気に入りの遊具だったが、反抗的態度を取るようになった今でもお気に入りのままのようで、エントランスを出るやいなや一目散に駆け出して行った。

f:id:jijiro:20170114141047j:plain

小学校のブランコは、以前のように「押して」とは言わなくなっていた。漕いでいる時間も10分弱とだいぶ短縮した。ひとしきりブランコを漕いだ後は、スーパーで食パンを買って引地川の鯉に食べさせたりしていたもので、それで、どうする?とお兄ちゃんに訊いたら家に帰ってゲームをしたいと言う。孫娘はもう少し外で遊んでいたかったようだが、渋々お兄ちゃんに従った。家に帰ると、カミさんは布団をかけて本格的に寝くさっていた。
午後はカミさんが仕事に出かけ、私一人で孫二人の面倒を見る。一体いつになったら孫の世話をしないで済むようになるんだか。もうしばらくは私の貴重な余暇を当てにされそうな気配である。とほほ。(あ)

【歩数】10,109歩。