いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

引越の荷退け賀状の版画彫る

【写真】今年の年賀状の図案は、船か鳥か迷って、鳥にした。鳥は川鵜。

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川鵜は、伊豆から藤沢に向かう時に狩野川の岸に群れているのをよく見かける。が、今回(12/23)見たのは、川中のテトラポッドで羽を休めている一羽だけだった。

その時見た川鵜のイメージが今回の図案になった。ただ、止まっているところがテトラポッドだと絵になりにくいと思い、流木に変えた。川鵜の姿は、あるサイトに載っていた写真を参照。いわば、鳥の図鑑から模写した感じでしょうか。

模写そのものは、児童教室で描き慣れているから、さほど難しくはない、と言いたいところだが、こればかりはなかなか上達しない。

私に絵を頼む子どもたちは、どうしてそんなに上手く描けるの?とよく訊いてくる。そんな時は、よ〜く観察することだよ、あとは、描いて描いて描きまくることかな、なんて言っているけれど、その実、描きまくるほど描いてはいないのである。そうありたいという願望を偉そうに言っているに過ぎないのである。

背後に富士山を描き、その手前になだらかな丘陵を描いた。丘陵は愛鷹山のつもり。なんのことはない、これ、家のデッキから眺めた富士山の構図である。だとすれば、波立つ川面は狩野川でなければならないが、どちらかといえば川というより海である。荒れる駿河湾の波のようにしか見えない。川のつもりで彫ったら海になった。いつぞや船の絵を描きたくて出かけて行った海のイメージがなんぼか残っていたのかもしれない。

これまでの富士山は、すべて絵の上の方に描いてきた。それを今回は小さく、川鵜の脇からちょこっと顔を覗かせる具合に配置した。勿論これは葛飾北斎富嶽百景・神奈川沖浪裏を意識している。

北斎の沖浪裏は、浮世絵の中で最も人気があるという。私も浮世絵といえば、まずこれを思い浮かべる。圧倒的な迫力があるし、波の下に富士山を持ってくるという大胆な構図は、一度見たら決して忘れない。多くの浮世絵を見たわけではないが、私には未だにこの絵が最高傑作として心に焼きついているのである。

毎年の年賀状は版画と決めている。神奈川に就職してからずっとそうしている。数えて37年目。よく続いていると思う。パソコンが広く家庭に普及しても、あえてアナログの版画にこだわり続けた。

先日、マンションのガラクタを整理していたら、過去の版画の板がまとまって出てきた。版画のほとんどは板の両面に彫られている。大した出費じゃないんだから板一枚くらい毎年買ってもよさそうなものだが、そうせずに前の年の裏面に彫った。貧乏性がこういう面にも表れていて面白い(誰も面白がってくれないから独り勝手に面白がっている)。で、貧乏性ついでに、これらの使用済版画板も伊豆引越しの荷物の中に紛れ込ませた。捨て切れないのである。

年賀状はまだ買っていない。カミさんに先週頼んでおいたが、まだ買っていないという。郵便局に行く暇がなかったと抜かすが、今のご時世、コンビニに行けば50枚束で売っているのだから、買う気があればいつだって買えたはずである。なのに買っていないのは、買う気がないのである。しょうがない、自分で買うか。

というわけで、版画はまだ刷っていません。28日は孫の世話、29日は餅搗き、30日は長男と今後の話をする予定。投函は早くても31日になるかな。賀状の届くのを楽しみに待ってくれている人がいたら、ごめん、来年も遅れます。(あ)


【歩数】4,817歩。