いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

山茶花の咲くを隣の猫知らす

写真は、裏庭に咲く山茶花

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伊豆のこの地域は、生け垣に山茶花を植えている家が多い。色は赤、白、ピンクとさまざま。花びらが赤白混合というのもある。この花が咲くと、いよいよ冬だなと実感する。
♪さざんか さざんか さいたみち たきびだ たきびだ おちばたき……♪は、唱歌「たきび」の二番の歌詞。「たきび」は昭和27年から小学校1年生の音楽の教科書に掲載されるようになって(Wikipedia)、私も小学校で習った。習ったのに山茶花の咲く風景がイメージできなかった。
雪国では椿と違って山茶花は咲かないのである。山茶花に似ている椿も暖かい地方の花というイメージがあるが、実は私の故郷の青森でも自生する。
奥羽山脈をどこまでも北上すると八甲田山にぶつかる。それより更に北に行くと陸奥湾にちょこんと突き出た半島が現れ出る。その半島を夏泊(なつどまり)半島という。半島の先端に椿山(つばきやま)という場所があって、そこがツバキ自生北限地帯として天然記念物に指定されている。指定されたのは大正11年というから義母が生まれた年と同じだ。
ところが、このツバキ自生北限地帯はもう一箇所あって、それが男鹿半島能登山。どちらも大正11年に「北限」として指定されている。北限が2箇所って、どういうこと?
緯度からすれば明らかに夏泊半島が北限なのに、それより200km南の男鹿半島も北限に指定されたのはいかにも解せない。しかも同じ年の、これも同じ10月12日に。
天然記念物は「文化財保護法」(1950年制定)に基づき、文部科学大臣が指定することになっているという。2箇所のツバキ自生北限地帯が指定されたのは大正11年だから、当時は「文化財保護法」の前身の「史蹟名勝天然紀念物保存法」(大正8年公布)が指定の基となる。そして指定するのが内務大臣。
文部科学大臣にしろ内務大臣にしろ、いずれにしても指定はほぼ中身もろくに確認しないまま判を押す例の方法だろうから(◯判と言えないから、まどろっこしい言い方になる)、地元からの指定要請を受けた下級役人が候補地を確認することなく書類を作成し、そのまま上司に提出したのだったか。
この場合「……地帯」という名称が曲者で、文書作成に当たった人は、夏泊半島男鹿半島もなんとなく本州最北の地、くらいの認識しかなかったのではないだろうか。指定した後に、しまった全く別の場所じゃないかと気づいたが後の祭り。ならば後で男鹿半島の分を取り消せばいいのにそれもできない事情を抱え、ええい面倒だどっちも北限にしてしまえとなって2箇所に北限が誕生した、とまあそんなところでしょうか。
夏泊半島の椿山には小学校の時、バス遠足で行ったことがある。小学3年生だったと思う。行ったのは当然ツバキがきれいに咲いている5月ということになるが、ツバキを見たという記憶がない。記憶にあるのは夏泊半島の東側の付け根にあるハクチョウ飛来地。浅所(あさどころ)という。そこでハクチョウの大群を見た。
しかし、ハクチョウが飛来してくる時期とツバキの咲く時期は重ならない。どうやら私の頭の中でバス遠足とハクチョウの大群とが合成されて、それが一つの風景となって記憶されたようだ。印象の記憶なんてそんなもんなんだろうな。
ツバキ自生の北限を2箇所に指定してしまった人も、もしかしたら頭の中で二つの風景を合成していたのかもしれない。
またまたいつもの癖で、話が思わぬ方向に行ってしまった。ご勘弁ください。(あ)
タイムラプスは、11月7日(月)7:47〜9:38の伊豆長岡の空。
あやめ湯(18:34〜19:10)1→2人。

2.285歩。