いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

赤い実の赤増してより秋深む

写真は、ピラカンサ(トキワサンザシ)。朝、ゴミ捨ての帰り道で見かけた。

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植木屋さんが手入れしているような見事な庭に、ひときわ目立って赤い実をつけていた。

何の実だろう。名前がわからない。とりあえず写真を撮って、後で調べてみよう。と、家に戻って調べたらピラカンサだと分かった。別名トキワサンザシ(常盤山櫨子)。

植物の名前に疎い私にはどちらも初めて聞く名だが、思えば週の3分の2を伊豆で暮らすようになってから随分植物の名を意識的に覚えるようになった。庭いじりをすると(草取りもろくにしないくせに)自然にそういうふうになるようだ。

ネットに当たると、ピラカンサのほうが一般的な呼称とあったが、和名の常盤山櫨子のほうが優しい響きがあって私には好もしい。山茶花(さざんか)、撫子(なでしこ)、女郎花(おみなえし)……どれもどれも優しい響きだ。

秋から冬にかけて、これからの季節はいろんな赤い実が生って目を楽しませてくれる。うちの庭にもそちこちにマンリョウが自生していて、こちらはまだ青い実が葉陰に見え隠れしているが、やがて年も押し詰まってくれば実も赤く色づいて縁起を呼び寄せてくれる、はずだがそうならない。例年、孫二人の手によってもぎ取られ、ままごとの餌食となって縁起は巡ってこないのである。

♪赤い鳥小鳥 なぜなぜ赤い 赤い実を食べた♪ これは童謡「赤い鳥小鳥」。歌詞の二番は「赤」が「白」に、三番は「青」になる。歌詞もメロディも実にシンプルで一度聴いたら忘れない。幼い頃に口ずさんだ歌の一つで、こうして今も赤い実を見れば、たちどころに口を衝いて出る。作詞は北原白秋

北原白秋といえば「城ヶ島の雨」。「城ヶ島の雨」といえば私が初任だったときの校長と、またしても話はあらぬ方向へ飛ぶ。

私が新採用で赴任した学校の校長が三浦半島の先端から通ってくる方で、宴会の席では「城ヶ島の雨」を十八番としていた。お宅から城ヶ島が見えると伺った。

宴たけなわとなり、酒の勢いも手伝って日頃の憂さを、喧喧囂囂、侃侃諤諤と言い合っている最中に、おもむろに立ち上がって、では、と「城ヶ島の雨」を歌い出す。♪雨は降る降る 城ヶ島の磯に……♪

誰も聴いていない。聴くわけがない。ご本人は地元とあって思い入れたっぷりに歌うが、周囲がしらけているのにお気づきでない。いや、半ば気づいてやけのやん八で歌ったか。

長々と歌い終わってやれやれと思っていたところへ今度は教頭である。「鉄道唱歌」である。これまた長い。各駅停車で行くから、そろそろお開きにしましょうかとなってもまだ終点に辿り着かない。

今と違ってカラオケなどなかった時代の話です。口角泡を飛ばして教育論議を交わす喧騒の中で、十八番の歌を無伴奏で歌った当時の校長、教頭が懐かしい。

まさか話が、ゴミ捨ての帰り道で見た赤い実から「鉄道唱歌」につながるとは思わなかった。あらかじめ書きたいことがあって書き始めることもあるが、こうして書いていくうちに連想ゲームのように話があらぬ方向へ進んでしまうこともある。書いている私自身、そのことを楽しんだりしているところがあります。(あ)

タイムラプスは、10月28日(金)6:19〜8:36の伊豆長岡の空。

https://www.facebook.com/100001436582002/videos/1230968970294311/

あやめ湯(18:34〜19:04)1→3人。

2,283歩。