いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

秋の潮向きを等しく船舫ふ

絵は、内浦漁港に係留された大型・中型魚船。(紙はマルマンVIFART B5サイズ 中目、鉛筆はシャープペンシル2B、絵の具はサクラ透明水彩12色)

f:id:jijiro:20161021143713j:plain

この4隻は、漁港の同じ場所にずっと係留されていて、ぜひ描いてみたいと思っていた。
前回は別の漁港の船の艫を2隻並べて描いたが、使った鉛筆がクロッキー用の3Bだったため、線が強すぎるのが気になった。それで、今回は2Bで0.5mm芯のシャープペンシルで描いた。
4隻を無理してB5サイズに収めようとしたら、下の海面のスペースが広くなってしまった。4隻をもう少し下に並べればよかった。しかし、描いたのを消してもう一度描き直す気は起きない。漁労クレーンとか揚網機とかアンテナとかライトとか、細かい部分を描き直すほどの気力は持っていなかった。
絵の具を塗っている途中で、船を描くならマスキングインクがあると便利かなと思った。アンテナとかの白く抜く部分にあらかじめマスキングインクを塗っておいて、塗った絵の具が乾いた後に消しゴムでこすってインクを剥がす。そうすれば大胆に背景を塗ることができる。
マスキングインクというものがあるということと、その使い方はYouTubeの動画を見て知っていた。水彩画を描くための道具はある程度揃えたつもりでいたが、マスキングインクだけはまだ準備していなかった。今回はこの絵を描くのに5時間以上はかかっているが、もしマスキングインクがあったら1時間は短縮できたのではないかと思う。
それにしても、YouTubeってすごいですね。私の水彩画(淡彩画)独習のお手本は今やすっかりYouTubeYouTubeにアップされた動画に私の知りたいことのすべてがある。膨大な数の動画すべてを見たわけではないが、そこではさまざまな技法を学ぶことができるし、モチベーションも高めてもくれる。そしていつも思う。動画をアップする人たちって、どういう思いでアップしているのだろう。
自ら体得したテクニックを惜しげもなく提供する。しかも無料。動画撮影の手間暇も考えたら、私は有料にしてもいいのではないかとさえ思う。絵画教室へ通えば当然月謝を払うわけだし、30分前後の動画の内容も絵画教室で学ぶのと比べて遜色ないものだと思う。
私は多少の授業料を払ってもいいくらいの気持ちで動画を見ていて、本当にただで見ていいの? と思ってしまう。情報を提供してくれる人からすれば当たり前のことでも、受ける側からすればとてもためになる情報だったりすることは多々ある。情報の提供者は有料にするほどのことでもないと遠慮しているのだろうか。情報を得る側からすれば無料は大助かりだが、それが自分にとって貴重な情報なら、その分の料金を支払ってもいいと思っている。少なくとも私はそう思っている。
書籍ならば、例えば絵筆の使い方などの説明は、活字を追いながら動きをイメージするしかないが(ネット社会の前はそれが当たり前だった)、これが動画だったら、動きを実際に見て確認できる。どっちが自分にとって有益な情報かといえば後者に決まっている。しかも本は有料。YouTubeなら無料。
かくして易きに走る人間は、文字を読み書きできなくても生きていけることを知り、無料の動画に馴染んで文字を捨てるのである。(あ)
タイムラプスは、10月21日(金)6:03〜8:15の伊豆長岡の空。

9,450歩。