いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

釣り人や釣瓶落としの影背負ひ

昨日の土曜が午後勤務のため、今日は藤沢に戻らず伊豆で過ごす。
藤沢に戻って戻れないこともないが、どうせ月曜の朝早くにまた伊豆へ来ることを思えば、その分の電車賃を呑み代に回したほうがお得だと私は思ってしまうし、ケチなカミさんもそのほうがいいと言うのである。
日曜を伊豆で一人過ごすのも久しぶりだ。さて何をして過ごそうか。コーヒーを飲みながら庭を眺めて考える、までもなくやることは決まっている。船の絵を完成させること。鉛筆での下書きは先週の木曜に済ませてある。あとは絵の具を塗るだけの状態で今日の日曜を待っていた。
塗り始めればさほど時間もかからずに塗り終えることは分かっていたから、絵の完成はやることの第一優先ではあったけれど、後回しにした。それでどうしたかというと、天城湯ヶ島から湧き水を汲んで来ようとした。前回運んだ湧き水が、今日のコーヒーで尽きたのである。
しかし、湧き水をバイクで運ぶのは20Lタンク1個が限度。他に運搬方法がなければバイクでちまちま行ったり来たりするのも仕方ないが、今月末の土日にカミさんが孫を連れて伊豆へ来るという。ならばそのときにまとめて運んだほうが効率がいいと判断し、それまで飲み水は水道水で我慢することにした。
湯ヶ島への水汲みは取りやめたが、まだ絵筆を取るところまで気持ちは高まらなかった。なぜだろう。あれほど待った日曜なのに、何をためらっているのだろう。絵を描くのが嫌になってしまったのだろうか……。
色を塗るには30分もかからないはずだったが、なかなかその気になれない。そこでモチベーションを高めようと、港まで船を見に出かけることにした。差し当たって最初に描いた船をもう一度見てみようと、内浦重須のヨットハーバーを目指す。そのクルーザーは同じ場所に浮かんでいた。背後には絵を描くときに省略したヨットがぎっしり並んでいる。その横を今しも沖から戻ってきたクルーザーが微かなエンジン音を立てて通り過ぎて行く。
これだよな。これがヨットハーバーの風景なんだよなあ。絵に描くなら、こういう雰囲気の伝わる絵でなくてはいけない。しかし、難しいなあ。どうやって描けばいいんだろう。
頭で考えたって仕方がない。ともかく描いて、上手く描けなくて、でもまた描いてと、それを繰り返していくしかない。上手く描こうとするからいけない。下手でいいんだ、下手がいいんだ。絵手紙精神を思い出せ。
なかなか絵筆を持つ気になれなかったのは、上手く描いて褒めてもらおうという気持ちがあったからだと気づいた。そんな気持ちなんか捨てちまえ。そう思ったら気持ちがすとんと楽になった。
絵は、重寺漁港(沼津市)に係留された漁船。

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今回は鉛筆にPILOT CROQUIS 3B(芯の太いシャーペンみたいなの)を初めて使ったが、線が強すぎて重たくなった。
薄曇りの空に朱色を少し加えてみた。そうしたら、実際は昼下がりなのに、なんとなく夕暮れっぽくなった。まあ、いいか。
写真は、ロープウェイの下に実る柿。

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ロープウェイは葛城山(452m)の山頂まで片道1,791mあり、伊豆長岡温泉の観光の目玉として昭和37年に開業した(Wikipedia)。数年前、呑み友が伊豆へ遊びに来たとき、一緒にこのロープウェイに乗ったことがあるが、往復運賃1,400円はちと高い気がした。360度の大パノラマ展望を謳ってはいるものの、駿河湾の眺望はあまり開けない。富士山は御殿場の裾野までよく見える。
タイムラプスは、10月16日(日)6:34〜8:38の伊豆長岡の空。
あやめ湯(17:55〜18:27)9→4人。

1,397歩。