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いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

あの人が駅で待ってる花芙蓉

昨日の夕方、あやめ湯へ行ったら、石畳の小路を向こうから歩いて来るマイ桶氏と一緒になった。マイ桶氏は入浴券を自販機で買わない。回数券みたいなものも番台に出さなかった。あやめ湯を運営する組織の役員をしているから、きっと顔パスなのだろう。
風呂場に降りたら米朝氏と元饅頭氏がいた。ちょうど奥の一等席の洗い場を立つ人がいて、そこへマイ桶氏が座る。すると、いちばん手前の洗い場から元饅頭氏が桶を持ってマイ桶氏の横に移った。元饅頭氏が私に気を遣ってそこを空けてくれたと思ったのだったが、座ってすぐに、湯舟の縁に腰掛けていた米朝氏が、本当は洗い場の空くのを待っていたのではないかと気づき、後ろを振り向いて米朝氏に声をかけた。「もしかして、まだ洗ってなかったですか?」
すると米朝氏は、「風呂の掃除を頼まれてるから、俺ぁいちばん最後でいいだよ」と言ったものだ。この気遣い、これが米朝氏なんですね。掃除を頼まれてるはずもないのに、そういう言葉が咄嗟に出る。この芸当、他の人にはとても真似できません。
ありがたく洗い場を使わせてもらい、歯磨きを省略して湯舟に浸かった。そうしたら米朝氏はゆるりと立ち上がり、私と入れ替わって洗い場に座り歯を磨き始めた。何でもないようだけど、人に気を遣わせないように気を遣う。そこにいるだけで場がほんわかした雰囲気に包まれるんですね。癒しのオーラが漂うというんでしょうか、すごい人だなあと思います。
あやめ湯を出たら、先に上がったマイ桶氏と米朝氏が縁台に腰掛けて話をしていた。マイ桶氏が、「明日、明後日と秋祭りなんだが、天気は大丈夫だろうか」なんて言っている。縁台は3人掛けで、私にまあ座れと言わんばかりに端の一人分が空いている。誘われるように私が座って二人の話に加わり、Yahoo!天気の予報を知らせる。「どうやら午前は雨っぽいですね、午後には雨が上がるようですよ」と私が言うと、今度は米朝氏が、「清水はどうだら、明日は清水で野球の試合があるだよ。勝てば三重県まで行かなくちゃなんねえ」と言う。お孫さんが大学で野球をやっていて、県のリーグで優勝すると三重県で行われる東海大会に出場することになる。それで明日は県リーグ優勝を決める試合の応援に清水まで行く、とのことだった。
それから話題は、秋祭りから小学校の運動会に移る。小学校の運動会といえば、昔は村の一大イベントだったさ、ゴザ敷いて、弁当の重箱つついて、応援だって賑やかだったもんだと言うマイ桶氏に、そうだそうだったと私が相槌を打ち、徒競走も靴ではなく「運動足袋」だったですよねと言う。そうだった白い足袋だったとマイ桶氏が話を合わせる隣で、米朝氏が、「みんな若えなあ、俺らんときは裸足だったよ」と先輩風を吹かす。それにしても、と米朝氏の話は続く。
「この前、重寺(しげでら・沼津市の淡島一帯の地名。井上靖の小説にも出てくる)の運動会を見てきたさ。孫がそこの小学校に通ってるもんだで。ほんで、走るときに一人ひとりの名前をマイクで言うだよ。第1コース誰誰って言って、まるでオリンピックだあな。そんなことするもんだから、走り終わるのに時間ばっか食ってしょうがねえ。見てて飽きちまっただよ。走るのは3人しかいねえってのに、そんなことでもしねえと今の小学校は子どもがいねえから間が持たねえら。わしらんときは、かけっこだけじゃなくて、草鞋作り競争なんてのもあったもんだが…」って、草鞋作り競争なんて、どんだけ時間のかかる競技なんだと思ったが、話そのものはとても面白く聞いた。風呂上がりの縁台でひとしきり運動会の今昔を語り合ったことだった。
写真は、伊豆長岡駅に向かうときに渡る踏切脇のフヨウ。5:46に撮影。

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フヨウは一日花で、朝に咲き夕方にしぼむ。花期は7月〜10月初めとあるから、そろそろおしまいだね。花も花期もムクゲに似ていて、Wikipediaには、フヨウとムクゲは近縁で接木可能とある。伊豆の庭にはまだムクゲが頑張って一つ二つ花を咲かせているが、それと見比べると、フヨウの方がいくらか明るい感じがする。庭のムクゲは赤紫で、花の数も少ないからそう感じるのかな。花言葉は「繊細な美」。(あ)

6,117歩。