いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

台風の過ぎて湯の香のいや増せり

あやめ湯(17:52〜18:49)7→4人。

元饅頭屋「今日は(台風9号で)大変だったね。どう? おたくんとこ、大丈夫だった?」

私「私のところは高台なので大丈夫でした。ちょっと雨漏りしたけど」

元饅頭屋「そう、それはよかった。今日、(狩野川の)放水路が開けられたってニュースでやってて、見に行こうかと思ったけんど、腰が痛えからやめた」

私「その後、腰の具合はいかがですか?(元饅頭屋さんは、バイクに乗って腰を痛め、4ヶ月ほどあやめ湯に顔を出していなかった)」

元饅頭屋「医者にバイク乗るなって言われて、歩いてるだよ。家からここ(あやめ湯)までは訳ねえだけんど、歩くのかったるくてな」

マイ桶氏「わしらがちっちゃかった頃は、放水された水が引いた後に、網持って鮎をつかまえに行っただよ。みんなそれを知ってて、いっぱい人が出てた。今じゃそんなことできないけんど、昔あ、よくやってたもんだら」

米朝氏「狩野川が膨らむと、細い川にナマズが逃げてくるだよ。そいつをとっ捕まえるだ」

私「へええ、そうなんですね。ウナギはいなかったんですか?」

元郵便局長「いた、いた、(両手で輪を作って)こんな太っといのがいたよ」

マイ桶氏「ウナギはね、元海軍工廠の近くの、防空壕のあったところが穴場で、よく捕れただよ。ついでに海軍工廠に潜り込んで、これ(右手の人差指で鍵の形を作って)したりな」

米朝氏「今日、東京の知り合いから電話がかかってきて、出たら、『おっ、出た』なんて言ってやがる。台風のことが心配で電話をかけてきたみてえだが、ニュースはたいしたことないのでも大袈裟に言うもんだで、東京の人は伊豆が台風でごっそりやられちまったんじゃないかと思ってるだ」

今日のあやめ湯は台風9号の話題で盛り上がった。一時は伊豆半島上陸の勢いだった台風も、何事もなく過ぎてしまえば、こうして思い出話に花が咲く。みなさん、昭和33年の狩野川台風を経験された方々ばかりだが、そういう人たちから昔の話を聞くのはとても楽しい。いつも思うことだが、こういうほんわかした人情があやめ湯のいちばんの特徴なんだな。

元饅頭屋さんは、子供の頃からあやめ湯一筋だと言っていた。他にもいくつかある共同湯の中であやめ湯に通い続けるのは、家からいちばん近いからというのもあるかもしれないが、やはり昔からの顔見知りと世間話をしながら湯に浸かることで、体も心もほぐれるからに違いない。私はあやめ湯に通い始めてまだ3年。ぎこちない新米だが、ひとつこれからも世間話の輪に加えていただいて、地域に馴染んでいきたいと思っていますのでよろしくお願いします。

写真は、増水した狩野川

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あやめ湯へ行く途中の土手にバイクを停めて修善寺方面を撮った。川面の右側2箇所にちょっぴり叢が見えるところが中洲で、増水によってすっぽり覆われている。ここから300mほどの下流に放水路があり、今日はその門が開かれたと、これはこの後あやめ湯へ行って、元饅頭屋さんから聞いて知った。(あ)

タイムラプスは、8月22日(月)16:33〜17:37の伊豆長岡韮山方面)の空。

https://www.facebook.com/100001436582002/videos/1169889186402290/

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