いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

見積の額に首振る扇風機

昨日、横浜のリフォーム会社から飛び込みの電話が入った。ちょうど防音工事が完了したばかりで、あたかもそれを狙ったかのようなタイミングでの電話だった。
「突然のお電話で失礼致します。こちらは新横浜にあります◯◯というリフォーム会社です。このたび弊社ではリフォームをお考えのお客様に、リフォーム前と後のお写真を撮らせていただき、それを弊社のホームページに載せることで、その宣伝費用分を割り引いた価格でのサービスをご提供しております。もしよろしかったらこれを機会にご検討いただけませんでしょうか」
そうだな、リフォームの勉強にちょっと話だけでも聞いてみるか、ということで今日の午前中に来てもらうことにした。
営業マンは約束の午前9時半ちょうどにやって来た。旅行かばんのような大きなショルダーバッグを提げ、やや関西訛りに「いやあ、今日は暑いですね」と言って名刺を渡す。別に暑いとは思わなかったが、名刺を受け取り、そうですねと相槌を打つ。カミさんが気を利かしてリビングのクーラーに電源を入れようとするが、リモコンが見つからない。どこだどこだと探してやっとガラクタの山から見つけたら、電池が切れていた。
クーラーはマンション購入と同時に取り付けたが、私とカミさんは二人ともクーラー嫌いで、これまでほとんど使ったことがない。電池もいつ取り替えたのだか知らない。で、乾電池を新しいのに取り替えようとしたが、今度は単4電池の買い置きがないときた。それで手動でやろうとしたが、これがうんともすんとも動かない。カバーを外したってはめ直したって動かないものは動かない。
別にクーラーなくたっていいんじゃないの? 扇風機でいいよ、とクーラーをあきらめてカミさんに押し入れの奥から扇風機を出してもらう。
その間、営業マンはメジャーを出して台所、ユニットバス、洗面所、トイレの寸法を測り、用紙にメモしていく。その手際のよさは見事なものである。てきぱきと採寸を終了し、大きなバッグから様々なカタログを取り出して座卓の上に開き、まずは台所からと説明を始める。ひと渡りトイレまでの説明が終り、さてハウマッチと示された額は、こちらの見積予算をはるかに超えるものだった。げげっ、水回りのリフォームってそんなにするの? とても無理、な額だった。
私の方は、とりあえず見積もりを出してもらって、それを元にカミさんとじっくり検討しようという腹づもりでいたのだったが、営業マンの方は今日の今日で決着をつけようという鼻息の荒さで話を進める。ちょっと待って、と思っても待たずにどんどん攻めてくる。
今日この場で決めてください。決めていただかなければ、この話はなかったことにして他所へ持っていくことになる(せっかくのチャンスをみすみす逃すんですか?)と決断を迫るのである。
はは〜ん、なるほど敵は端からそのつもりで乗り込んで来たんだな。私はきっとネギを背負った美味しい鴨に見えたに違いない。
時計は12時半。説明は延々3時間に及んだ。いよいよ決断しなければいけない。あえて同席せずに別の部屋に待機していたカミさんに、営業マンから提示された見積額を報告すると、さっと顔が青ざめるのが分かった。無理の字が顔じゅうに書かれてあった。
カミさんは、突然やって来て今日決めろというやり口に引っかかっていた。何も今日決めなくてもいいんじゃないの? 他にもリフォーム業者はたくさんあるんだし、という意見。もっともだと思いつつ、でも、やろうという気になったときに思い切ってやらないと、いつまでもぐずぐずして結局やらないのではないかという思いが私には強くあった。
それで、折衷案というわけではないが、今回は水回りのうちの台所だけリフォームしてみることにした。一気にまとめて、というのが無理ならばそうするしかない。営業マンは露骨に不満な顔をしたが、カミさんは渋々承諾した。
それにしてもリフォーム会社も、あの手この手といろいろ手を使ってくるものですね。今回は押し売まがいの荒い手口だったけれど、かの業界も生き残りをかけて必死なんでしょう。一つ、勉強のつもりで業者にリフォームを頼んでみることにします。工事は9月の予定。(あ)

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あやめ湯(18:15〜18:45)2→1人。

6,169歩。