いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

絵にならぬ庭の緑も蝉の声

先週、古本屋で『週末画家入門』花城康夫著(日貿出版社)という本を見つけた。この本を参考書にして風景描画の基礎を学び、伊豆のあちこちをスケッチしながら歩いたら楽しいだろうと思った。

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絵を描くのはもともと好きで、これまで絵手紙に凝ってみたり、flashで似顔絵を描いてみたり、水墨画に挑戦してみようかと思ったり、砂絵をやってみたりと、あれこれやってみたけれど、どんな絵を描くにしろ、つまるところはデッサン力が基本だと思っていた。そして私にいちばん欠けているのが、そのデッサン力だった。
高校3年の秋から、放課後にはいつも美術室で石膏を描いてデッサン力を磨いた。一時は美術系の大学に進もうかと思うくらいにまで専一に描き続けた。しかし、描けば描くほど自分の才能のなさを実感し、次第に描くのが苦痛になっていった。
大学時代はサッカーに明け暮れ、5年目から教職課程の講義を受け、その後、学習塾講師をしながら7年かけて大学を卒業した。その間、絵は一枚も描いていない。
大学を卒業したその年に運よく神奈川県に採用され、副担任として引率した最初の修学旅行に小さなスケッチブックと固形絵具を持っていったことがある。修学旅行の見学地をスケッチできたらいいという思いからだったが、結局一枚しか描けなかった。だいたい、普段絵筆を持っていない人が俄に描けるわけがない。最初の一枚を描いて描くのをやめた。あまりに下手な自分に腹が立った。
そのうち世の中にパソコンが普及し、メカにすこぶる弱かった私も、あれよあれよという間にパソコンにのめり込み、出来合いのものに飽きたらずパソコンを自作するまでなった。より高性能なスペックを求めてパーツを買い足し、組み立てているうちに、iMacがアップル社から出た。その頃は動画編集に凝っていて、アニメーションもやってみたいなと思い始めた頃だった。それでアニメーションを作るんだったらflashだろうと、思い切ってパソコンをWindowsからMacに換えた。以来ずっと私はMac派である。
さて、flashを使い始めたら、これがなんとも面白い。絵は滑らかに描けるし、描いた絵も動かせるし、スクリプトを使えばちょっとしたクイズも作れる。すっかりハマってしまった。そこからなんです、人に見せられるようなアニメーション作品を作ってみたいと思い始めたのは…。ところが、そこから先へ進まない。絵が動く仕組みは分かるのだが、肝心の絵が描けない。特に背景画をどう描いたらいいか分からない。
要するに、ここでもデッサン力の必要性を痛感し、デッサン力のない私はそこでぴたりと足が止まってしまうのです。
どうしたものかと思うそばから、描いて描いて、描きまくるしかないだろうという声が聞こえてくる。そうなんです。描きまくるしかないんです。それで原点に戻って、そう、あの小学校の図画の時間に描いた絵のように、まずは画用紙に鉛筆で線を描き、次に絵の具を塗って仕上げること、そしてそれを楽しむこと、これしかないですね。これを続ければ描くコツも分かるだろうし、課題のデッサン力もつくと思う。まずはやるべし、ですね。
この本のあとがきにチャーチル首相の言葉が引用される。
「もしもやがて訪れるであろう私たちの晩年において、無限の広がりを持つ異質の分野を偵察することに興味があれば、必要な第一の資質は『大胆』であることを知らねばならない。実際よく考えた上でそこに到達するという時間的余裕はないのである」
そうだ、大胆に前へ進もう。ぐずぐずしている時間はない。
写真は、やるべしと決意して描いた第一作。まずは伊豆の家から。緑色の違いを描き分けるのが難しかった。

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写真だと、こんな感じ。

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あやめ湯(17:43〜18:29)4→2人。

3,246歩。