いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

装いは恋模様にて君子蘭

高校教員を退職して4年になる。退職すると「シニア運動」という団体組織から会報が送られてくる。で、昨日届いた最新号をぱらぱらめくっていたら、近況報告のページに懐かしい人の名を見つけた。

その人は、私が新採用で勤めた職場の同僚で、美術を教えていた。懐かしい人、とはいったが、実はその人の名は、先月の平塚月例呑み会で耳にしている。この3月で退職し、4月から新たに呑み会のメンバーに加わった人からその人の名が出た。その美術の先生とは今も親しくしていて、「絵を買ったんですよ」と言ってiPhoneを取り出し、買ったという絵を画面で見せてもくれた。

画面の絵は水彩画だった。私の知っているその人の絵は、壁面いっぱいに描かれる大きな油絵だったので、あれま、こんなに絵が小さくなってと驚いた。今はイギリスでもっぱら水彩画ばかり描いて暮らしていると聞いて、またまた驚いた。日本にいるものとばかり思っていた。

それで、会報の近況報告に「よかったら見てください」とホームページのアドレスが記されてあったので早速アクセスしてみた。そうしたら扉のページに、「このごろ私は現場で水彩画を描くことに没頭しています。そしてひたすら日本に水彩画の描き方のみならず、ペインティングホリデーの楽しさを伝えたいと考え続けています」とある。

事実、イギリス各地で描かれた作品や、イギリスへ渡る以前のバリ島で描かれた作品の一つひとつを見るにつけ、いかにも絵を描くのが楽しくてしかたがないといった感じが伝わってきて、それを見るこちらも楽しかった。こんなふうに酒を呑みながら気ままに描けるのっていいなあ。私もいつかは彼のように、酔いどれた筆でさらさらっと墨絵なんかを描いてみたいものです。

ホームページを見た感想をメールで送ったら、早速返事が来た。それによると、あと1ヶ月ばかりイギリスをあちこち回るとのこと。足の向くまま気の向くまま、好きなところで好きな絵を描く…。なんて素晴らしい人生なんだろう。できれば私も肖(あやか)りたいと思ったことだった。

写真は、アガパンサス

f:id:jijiro:20160626142313j:plain

散歩で通った家の庭で見つけた。別名を紫君子蘭というらしいが、どちらも初めて知る名だ。茎が彼岸花のようにしゃきっと伸び、凛乎(りんこ)として風に揺れる。花言葉は「恋の訪れ、知的な装い」。

こうして散歩しながら、きれいな花だけど、あれ、なんていう花だろうと思ったときに、iPhoneアプリの「花しらべ」でぱっと調べる。俳句を一句ひねるときに「名もない花」じゃしょうがないということでインストールしたアプリだが、なかなか重宝してます。花言葉も知ることができるので、そこからイメージを膨らませたりもします。(あ)

5,638歩。