いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

雨含み危うきままに花椿

あやめ湯(18:00〜19:09)4→3人。木材屋の会長さんが、続いて米朝氏が風呂場に入って来た。会長さんとあやめ湯で会うのは久しぶり。相変わらず背筋がしゃきっと伸びて若々しい。とても80歳を超えているとは思えない。「今日はちょっくら混んでるみてぁだから、すぐ上がるだよ」と言って、どぼんと湯舟に浸かったかと思うと、本当にものの5分かそこいらで上がってしまった。カラスの行水どころではない。「朝も入りに来たし、ここへ来る前に家で体洗ってきただからいいだよ」。会長さんがあやめ湯へ来るときは、先にまず家の風呂で体を洗ってから来るらしい。「うちの娘婿はけちだから、風呂代(300円)も出してくれにゃあもんで」と言いながら一日二回もあやめ湯に来ているんだから、会長さんの話はどこまで本当なのかよく分からない。

会長さんが上がった後は、米朝氏、元郵便局長、私の三人になる。米朝氏とは先週の臼の件以来、何だか家族みたいに心の距離が近くなっていて、いないとどこか寂しく感じてしまう。今日なども、体を洗いながらも湯舟に浸かりながらも、今来るか今日は来ないかと、ずっと脱衣所の方を気にかけていた。それで、米朝氏が脱衣所からこちらを覗き込む顔を見つけると、ほっとしたり、まるでまだ上げ初めし前髪の乙女のようにそわそわしたりする。いい年こいて何だかな、なのである。

米朝氏は「息子に、臼を運んでくれるように言っといたから」と言ったが、それがいつの日かは言わなかった。息子が請け負っている今の仕事が終わったらとしか言わない。私の方は特に急ぐわけでもないから、すべては息子さんの都合最優先でのんびり待つことにした。

昨日の蒸籠に続き杵も落札。杵はオークション終了直前で100円単位のデッドヒートを繰り広げ、開始価格の約5倍で落札した。なかなかスリリングな展開でした。

写真は、家の裏に咲いている椿。浴室から見ると、この椿が目隠しとなってまことに都合がいい。前のオーナーがそのつもりで植えたのだろう。二株ある。でも、すぐ下は3mほどの崖になっていて、浴室を覗く輩はせいぜい山の鶯くらいのものではあるが…。

椿は花びらがひらひら散り落ちるのではなく、花弁の塊がまるごとぼとりと落ちる。木の下に落ちたばかりらしい色鮮やかな花弁があるかと思えば、枝にしがみついて茶色に枯れているものもある。できれば己の人生の締めくくりも、色鮮やかなまま落ちる椿の花弁のようでありたいと思うこの頃である。(あ)

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10,116歩。