いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

銀座の灯今も昔の星月夜

中学生対象のオープンスクールで出勤。出勤したら職員室の机に自分の名前を印字したネームプレートが用意されていた。非常勤講師は朝の職員打ち合わせに出ないので、何の説明も受けることなく、ただ机の上に置かれたものを見てどうすればいいかを判断しなければならない。今日はオープンスクールなのでこれをお付けくださいと教頭あたりが一声かけるとか、メモ書きを添えておくとかしてもいいはずなのにそれがない。そんなこといちいち言わなくても分かるだろうという姿勢にちょっと冷たさを感じた。土曜日なのにわざわざご出勤いただいてありがとうございますくらい言っても罰は当たらないと思うのだが…。

昼は久々に修善寺駅前のラーメン屋で「昔ながらのラーメン」を食べる。500円。座敷に2人、二人掛けテーブルに1人、カウンターに1人。カウンターの人はホカ弁を食べていた。おそらくコンビニかどこかで買ってきて店に持ち込んだと見える。その堂々とした食いっぷり、厨房のご主人との親しげな会話から推して、持ち込みはその人だけに許された特権のような気がした。ややあって、その人の前にラーメンが運ばれた。

私はその人から二つ椅子を飛ばしたカウンターの席に就いた。このラーメン屋には過去に5回ほど来ているが、カウンターに座ったのは今日が初めてである。カウンターからご主人がラーメンを作る一部始終を見る。それで、チャーシューとナルトを、その都度切って丼に入れているのを知った。あらかじめ切っておいたのを添えるのと、客に出す直前に切って添えるのとでは、味にどれだけの違いがあるか分からないが、そこに何かご主人の「昔ながら」に対するこだわりがあるような気がした。

f:id:jijiro:20151031120913j:plain

銀座で個展を開いている元同僚の画伯を冷やかすために、修善寺発12:35の踊子号で東京に向かう。なに、実のところ個展はついでで、本当は元同僚の画伯と呑みたいために銀座まで行くのである。運賃と特急料金で4,190円。途中、丹那トンネルでうとうとした他は終点の東京駅までずっと車窓を眺めていた。車窓を流れ去る密集した建物群を見遣りながら、もしここで直下型地震が起こったら首都機能はひとたまりもなく崩壊するだろうことを思った。人々はいつか必ず来るだろうその日を考えないようにしながら、杭打ち偽装の高級マンションを買って住んでいるのだ。

f:id:jijiro:20151031140912j:plain

銀座の画廊には呑友のごいさんと午後4時半に待ち合わせていた。それより1時間ほど早めに銀座に着いたので、画廊のすぐ近くのApple StoreでiPhoneの充電をして時間調整する。店内は多くの客で賑わっていて中国語を話すグループが目立った。近くを通ったスタッフに、来月発売予定のiPad Proの展示がいつになるか訊いてみたが、いつになるかまった分かりませんとのことだった。

f:id:jijiro:20151031162536j:plain

午後4時半に画廊に行ったらすでにごいさんは来て絵を見ていた。画伯自らにお茶を淹れていただき、今回の絵についてのエピソードを面白く聞きながら終了時間の5時を待つ。今日は個展最終日につき5時で終了。その5時を過ぎ、展示作品をアトリエに搬送するトラックを見送って、画伯の案内で画伯馴染みの居酒屋に繰り出す。画伯が最初に勤務した元同僚の仲間とテーブルを囲み、お洒落なツマミに舌鼓を打ちながら、昔の思い出話に花を咲かせたことだった。(あ)

f:id:jijiro:20151031175229j:plain

11,751歩。