いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

乙女子の白粉匂い秋祭

懐具合がいささか心細くなってきたので、辻堂駅前の銀行に向かった。すると、通りの途中にある地区公民館の脇から、きれいに化粧をした女の子のグループがお揃いの白い衣装で息を弾ませながら出てきた。

公民館の裏手は公園広場になっていて、そこで毎年「明治地区ふるさとまつり」が行われるのだが、今日がそのふるさとまつりの日だった。公民館の脇から出てきたのは広場のステージで発表を終えたばかりの女の子たちだった。

華やいだ気分につられて広場をちょっと覗いてみることにした。女の子たちの次のステージでは空手の演武が始まっていた。演武というよりも太鼓に合わせた空手ダンスと言った方がいいか。不揃いなところが見ていて何だか微笑ましい。それでその太鼓が手製というのがまたいい。公園などにあるゴミ籠の口に木の蓋を置き、それをバチで叩いてリズムを刻んでいる。ゴミ籠を利用するところなんかなかなかのアイデアです。

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銀行の帰りにもう一度おまつり広場に寄ってみた。テントをぐるっと回ったら、いろんなセトモノが1個10円で売られているテントがあった。中に箱に入ったコーヒーカップセットがあって、おっ、渋い色合いで好みだなと見ていたら、テントの人が「どうぞお好きな値段をつけてください」と声をかけてきた。そんなこと言われてもまるで見当のつけようがなく言い淀んでいたら、「50円でどうですか?」と言う。これより前に陶芸品販売のテントで500円前後の品を見たばかりだったので、まさかの50円提示に、よし買ったと言って買ってしまった。

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持ち帰って食卓の上に置いておいた箱を、仕事から戻ったカミさんが目に留め「なにこれ、どうしたの?」と言う。「バザーでコーヒーカップを売ってたんで買ってきた」と言ったら、キッと険しい目つきになり「また余計なもの買ってきて、コーヒーカップならたくさんあるじゃないの、これ以上モノを増やしてどうすんの」と中身も見ないうちから文句を言う。「いや、50円だというから買ってきたんだ」と言ったら、文句はそこでぴたりと止んだ。おもむろに箱を開けて中身を確認したカミさん、これで50円なら掘り出し物と値踏みしたに違いない。

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これ以上モノを増やしたくない気持ちは私とて同じ。でも、あっ、これ欲しいとつい思ってしまう気持ちも、まだどこかにくすぶっているのです。いい加減、物欲を断ち切らねばと思うのだが…。(あ)

7,101歩。