いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

朝日差す湾に秋の灯消え残る

昨日、晩酌をしながら「陸っぱり海のルアー入門」を読んでいたら、無性に釣りがしたくなった。それで早朝5時半、バイクを沼津の内浦湾に走らせた。

日中は28℃まで上がると天気予報では言っていたが、朝は半袖では寒く、ジャージーの上にウインドブレーカーを着込む。

内浦漁港の堤防は家から最も近く、クロダイ釣りの好ポイントと雑誌に紹介されていたから、伊豆の海釣りをするならまずここからだと思っていた場所である。

ところが一昨年、突然閉鎖になってしまった。よほど釣り客のマナーが悪かったのだろうか、それとも何か別の理由があったのだろうか。沼津の堤防釣りでは静浦漁港が規模も大きく有名だが、車上荒らしや釣り座争奪などのトラブルが頻繁に起き、パトカー出動のケースも多いと聞く(ネットに書き込まれている)。漁協側からすれば、そのような面倒を抱え込むのは真っ平ご免といった思いもあるだろう。それはそうだ。釣り客自身が自分の首を絞めているとしか思えない。釣り客は漁協の善意で堤防に立てることに感謝しなければいけない。このまままではそのうち勘忍袋の緒が切れて、内浦漁港同様、静浦漁港も閉鎖に追い込まれないとも限らない。そうならないようにマナーをしっかり守って釣りを楽しみたいものである。

内浦漁港の隣に三津シーパラダイスがある。ここから大瀬崎(おせざき)方面にトンネルを二つくぐった先がヨットハーバーで、そこを右折して岬に向かって300mほど行ったところに足場のいい堤防がある。この堤防は沖に突き出るのではなく、道に100mほど並行して築かれている。春先に一度下見をしていて、ここなら静浦の堤防より近いし釣りやすそうだとマークしていた。現在ほとんど使われていない倉庫のような建物が一棟あり、隣に漁網を吊り上げるらしいクレーン機も一基あるが、これも使われている気配がない。

堤防の道路脇に相模ナンバーのワゴン車が停まっていた。堤防の端に二人の釣り人がいたから、たぶんその人たちの車なのだろう。ターゲットは何だろうと見ていたら、リールを巻いた人の竿先に金属製の光るものが見えた。餌木(えぎ)だ。アオリイカを狙っているのか。アオリイカのシーズンにはまだ早いと見たが、今年生まれたアオリイカの子どもがそろそろ動きだしたのかもしれない。

足元のヘチを覗くと、海面に小魚が泳いでいるのが見えた。カワハギ、シマダイ、ベラの幼魚に熱帯魚のような青や黄の色鮮やかなのも混じっている。と、それら小魚群の下を30cmほどの大きさの魚影が横切った。クロダイである。何だかぞくぞくしてきた。さらにヘチを移動していたら、今度はその倍以上の長さの細長い魚影がゆらり通り過ぎた。でかい。何だろう。シーバスのようだったが…。

見える魚は釣れないという。しかし、とまれクロダイがいることだけは目で確かめることができた。昼には姿を見せない魚も朝まずめにはこうして無防備な姿をさらけ出したりする。狙いを5時から7時までの2時間に限定すればさほど時間の負担にもならないだろう。よし、大磯で初めてクロダイを釣り上げたときの、あの強烈な引きの感触をもう一度味わってみよう。

6,879歩。

写真は、堤防から見る内浦湾の朝日。湾の向こう正面が三津シーパラダイス(逆光で見えないけど)。続いて湾内の風景3枚と、最後に内浦湾長浜から見た富士山。こんなかっこいい富士山がここから見えるんだねえ。手前のお椀をひっくり返したような形の山が淡島。故郷の海に浮かぶ湯ノ島にそっくりで郷愁をそそります。(あ)

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