いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

四阿を沈め夕立海となる

藤沢から修善寺へ出勤。朝4時に起きた時点で伊豆に大雨警報が出たことはyahoo天気の速報で知っていた。出勤といってもどうせ教材研究だし、大雨の中を無理して出勤することもあるまいと思いつつ、まあ行くにしろ取りやめるにしろ、ともかく伊豆長岡まで行って、そこで雨の降り具合を見て判断することにした。

三島7:34の修善寺行きに乗る。夏休みでさすがに高校生は少ない。それでも部活動のためらしい通学の人もちらほら見える。

電車は伊豆長岡駅にさしかかった。雨は? 上がっているようだ。行くか? よし行こう。修善寺駅で乗り越し精算し、隣のコンビニでおにぎりを買って職場に向かう。雨はぱらぱら落ちていたが傘をさすほどでもない。

出勤している職員は15人くらいか。そのうち5人が事務の人。事務室は生徒の登校に関係なく常に忙しい職場なのです。

3階の準備室にこもって教材研究。準備室でいつも一緒になる人も出勤していた。外は雨が強く降ったり弱く降ったり止んだり日が射したり、めまぐるしく変わる。午後3時に教材研究を終え、玄関先でスニーカーとバックパックに防水スプレーを入念に噴きかけ、パックカバーを掛ける。昨日買った雨用グッズが早速役立ちました。

あやめ湯(18:20)3.5→4.5人。インドの人だろうか。小さな子どもを連れてきている。お父さんとは前に3回ほど顔を合わせているが、子どもを連れてきたのは今日が初めてである。肌の色がお父さんと一緒だからお母さんもそうなのだろう。

湯舟に入ってきたら話しかけようと待っていたが、ずっと洗い場にいて湯に浸かる気配がない。子どもは隣で蛇口とか桶とかを叩きながら、お父さんが体を洗い終わるのを待っている。お父さんは時折子どもの方を向きながら笑顔で何か話している。子どもも笑顔で返す。何語だろう。何語か分からないが、見つめ合う顔に親子の深い愛情が滲み出ていた。生まれた国は違っても親子の愛は一緒だねえ。

子どもは腰にミサンガのような紐状のものをつけていた。結局、父子は一度も湯舟に入ることなく、使った風呂椅子と桶を片付ける。そのとき子どもが、湯舟の縁に座っていた私に手でバイバイと挨拶した。細い鎖のお腹の前に小指の爪ほどのペンダントがついていた。おいくつ? と訊くと3歳と、これはお父さんが答える。幼いときからこういう共同湯の文化に馴染んで、日本のことをもっともっと好きになってください。並んで風呂場を出ていく背中にそう願ったことだった。

6,881歩。

写真は、雨足の弱まるのを待つ寺の四阿(あずまや)。職場の帰り、田京駅に着いたら雨は傘をさすほどでもないくらいに弱まっていた。折り畳んだ傘を出さずに歩いていたら、寺の急坂の真ん中辺りで突然雨が強く降り出した。ちょうど少し先に墓参客用の四阿があったので、走ってそこへ滑り込む。途端に叩きつけるような大粒の雨がやってきてぎりぎりセーフ。新海誠監督「言の葉の庭」に出てくる四阿は新宿御苑のそれだが、ここは前も後ろも墓地。風情もへったくれもないが、ずぶ濡れにならずに済んだだけでもよかったよかった。(あ)

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