いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

憂きこともぽつりぽつりと木槿咲く

あやめ湯(18:30)2→4人。雨の中、あやめ湯まで歩く。狩野川はこのところの雨降りで水嵩が増し、伊豆箱根鉄道と下田街道と狩野川がぴったり並ぶ場所では、濁流が中洲を飲み込む勢いで流れている。ここは私の最も好きなポイントで、冬はここから川面に映る逆さ富士を見ることができる。

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今日のあやめ湯は、普段より1時間ほど遅かったこともあって顔見知りの人はいなかった。私より先に来て体を洗っている人に湯舟から声をかけようと思ったが、その人が湯舟に入ってきてから声をかけたほうがタイミングとしては自然かなと思い直して、石鹸を流し終えるのを待っていた。しかし、一向に入ってくる気配がない。延々と体を洗っている。

そこへ3人目の客が入ってきた。ガラス戸を開けこんばんはと言う。ここまではふつう。その後、失礼します、お世話になりますと付け足した。風呂に入りにきてお世話になりますはないでしょう。あやめ湯は初めてなのかな、旅行の帰りなのかな。あれこれ思い巡らしていたら、参ったな、弱ったな、困ったなとぶつぶつつぶやき出した。シャワーを浴びながら、うう気持ちいい、ああ気持ちいいと、声にしなくてもいいことを声にする。面白い人だな、どんなことにお困りなのか、ひとつ声をかけてみようかと思ったが思いとどまった。ねえねえ聞いてくださいよと、待ってましたとばかりにエンドレスの愚痴が口からほとばしり出そうな気がして。

私が湯舟から出ると、それを待っていたかのように念入りに体を洗っていた人がどぼんと湯舟に入った。世の中にはいろんな人がいるものです。

17,019歩。

写真は、ぽつりぽつりと咲いた庭の木槿(むくげ)。小田原の孫の家の近所に咲く白い木槿は満開だったが、こちらはようやく咲き出した。木槿は朝開き、夕方にはしぼむというが、うちのは湯屋へ行く時間になっても咲き残っている。この木槿が満開を迎える頃には隣の百日紅(さるすべり)が咲き出す。(あ)

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