あやめ湯の湯から上がったら、テレビで韮山反射炉が世界遺産に登録されたことを報じていた。パブリックビューが設けられた韮山時代劇場での発表の瞬間の様子、伊豆長岡駅に祝いの看板を取り付ける様子、反射炉の江川坦庵像の前でインタビューを受ける江川家当主などが映し出され、伊豆の国市全体がすっぽり祝賀ムードに包まれていた。そこで同じくテレビを見ていた番台のおじさんが一言「世界遺産も善し悪しやの」。一言の真意を測りかねていると、おじさんは熊野古道の例を挙げて、世界遺産になったことによって地主が勝手に山に入れんようなってもうたと言った。世界遺産になったからといって単純に喜んでもいられない事情もあるのらしい。
あやめ湯(17:40)2→3人。マイ桶氏と一緒にならず。顔は見知っているけれどこれまで話したことのない人が、私に話しかけてきた。私とマイ桶氏が世間話をしているときに一緒のことも多かったので、たぶん私の顔もついでに覚えてくれていたのかもしれない。とても穏やかそうな人で、どことなく故桂米朝に似ている。これからもたびたび登場するかもしれないので、その人をひとまずbさんとしておく。
b(やたら話が盛り上がっている女風呂の方に目くばせして)今日は随分うるさいな。jほんと、賑やかですね。昨日終わったあやめ祭の余韻に浸ってるんでしょうかね。bさあ、どうだかね。jところで今年のあやめ祭はどうでした？ bどうもこうも、こっち(古奈地区)は屋台が3軒しかなくて、どこかで晩飯を食おうと思ったけど、どこもやってなくて参ったよ。向こう(長岡地区)はだいぶ出てたみたいだけどね。j柳月に土産の饅頭を買いに行ったとき見たけど、結構出てましたよ屋台。私、柳月の饅頭好きなんです。bああ柳月か、黒柳の(饅頭)より人気あるらしいね。j店の構えは黒柳の方が立派ですけどね。b昨日ここ(あやめ湯)が休みだったから「あづまや」へ行ったけんど、行ったら柳月の饅頭一個くれた。昔はあづまやでも饅頭やっててね、先代が亡くなって饅頭屋を畳んだんだ。あづまやって、ほらここ(あやめ湯)の隣の。jへええ、そうだったんですか。復活しませんかね。bどうだかね。無理じゃないの? j復活したら嬉しいな。では、お先に失礼します。(あ)
7,344歩。
