いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

炎天の立ち人形の銃の先

家の前の坂道は田中山の尾根まで4kmほど続く。そして突き当たったT字路を左折し、尾根道を2km進んだ先の韮山カントリークラブ入口から5km下ると韮山反射炉に出られる。計11kmの距離。これを昨夜泊まった二人が走ろうという。昨夜遅くまで散々呑んだくれてなおこの気力体力、まったく恐れ入ります。

一緒に走りませんか走りましょうよと誘われたけれど、誰が走るもんか走りません、いえ走れませんと断った。せいぜいバイクで道案内をするくらいならお供しますと言ったら、ではそれでお願いと私も出かけることになった。マラソンのトップランナーを先導する白バイよろしく、バイクにまたがって二人の先を走る。二人の走る姿を預かったカメラに収めながら、よく走るよこのおじさんたちと感心してしまう。本当に走るのが好きなんだな。

韮山カントリークラブの道を一気に下り、反射炉前の自動販売機で給水する二人。反射炉ビアの製造所を見やりながら、水よりもビールの方がいいんじやないの? と言ったら、それもそうだなだって。昨夜あれほど呑んでおきながらまだ呑む気でいやがる。

蛍の生息する小川の土手を歩きながら(私はバイクを引きずりながら)家に向かう。伊豆箱根鉄道の踏切を渡ったところで二人は狩野川の土手へ上がり、バイクの私は先にコンビニで缶ビールを買って家で待つことにした。走った後はどうしてもビールを呑まなくては収まらないらしい。この後田京の中華料理店で昼食を摂ったが、ここでもまたビール。とことんビール、徹底してビール。田京駅で二人を見送ったときも、駅の売店でビールを買って電車に乗るつもりだったらしく、田京駅に売店がないことを知って非常に残念がっていた。あの勢いでは三島で絶対ビールを買ってるな。私には、あの二人はどうしてもビールを呑むために走っているとしか思えないのでした。

あやめ湯(20:00)2→2人。8,045歩。

写真は、田中山の案山子(かかし)。通りすがりに見たときは一瞬人間かと思った。子どもを抱きかかえライフル銃を構えるポーズだが、実際に銃は持っていない。支柱を組んでそのように見せかけている。等身大の大きさに履かせている靴は本物のスニーカーだ。右足を短めにして遠近感を出している。なかなか凝った作りだ。銃を向ける先はどこだろう。子どもを抱きかかえているのは、子どもの命を銃が向けられた何者かから守ろうという意味なんだろうか。されば何者かというのは一体何者? そんな想像力をたくましくさせてくれる案山子でした。(あ)

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