いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

アケビを植える

これまで、そちこちの窓を半開きにして寝ていたが、今朝は本格的な秋の風が吹き込んで肌寒かった。日中はまだ蝉の声がやかましい界隈だが、朝夕はすっかり秋です。夜は秋の虫が引きも切らず鳴き続け、聴力検査のヘッドホンをずっとつけているような感じ。って、どうも例えが無粋でいけねえな。虫の鳴き声を聴き分けられればいいのだが、高校まで田舎で育ったにもかかわらず、そっち方面は全く疎い。「すいっちょが鳴いているよ。ほら、こっちはくつわむし」とでも孫に教えてやりたいが、それがかなわないのが歯がゆい。
九条ねぎを植えて、残った畝の半分に、やはり辛味大根を植えることにした。スペースから見て10本も収穫できればいいかなと見当をつけて、タネを買いに行った。タネは辛味大根だけでも数種類あった。その中から「おろしで旨い!辛味大根」をチョイス。203円。一円玉で財布を膨らませたくない私としては、できればクレジットカードを使いたい。でも、203円でクレジット払いをお願いするのもなんとなく気が引けて、つい弾みでアケビの苗を手にしてしまった。こちらは980円。
アケビは小さい頃、近所の鼻垂れ仲間と山へよく採りに行った。薄青紫色の皮がぱかんと割れて、中からクリーム色の実が顔を覗かせているを見つけると、宝物を探し当てたかのような興奮を覚えたものだ。店頭にはまず出回らない。山の奥へ分け入らなければ手に入らない。そこで見つけた者でなければ食べられない。アケビはそういった意味で、当時の子どもたちにとっては、甘い優越感とともに味わえる、正に宝物のような果実だったのである。
 このアケビの苗を見つけたときは、嬉しかったのなんのって。その瞬間、頭は故郷の景色に飛んでいってしまいました。ああ、あのアケビのぶら下がった景色がもう一度見られるんだ。楽しみだなあ。早く見たいなあ。茱萸(ぐみ)を植え、プラムを植え、葡萄を植え、ブルーベリーを植え、庭はいよいよジャングルの様相を呈してきているが、いいの、いいの、ジャングルもまた楽し。賑やかでいいじゃないの。たった一度の人生だもの、楽しまなくっちゃ。7,969歩。
写真は、家の裏に植えたアケビ。奥の冷蔵庫は、以前台所に置いてあったもの。新しいのに買い換えたときにこっちへ移動させた。今は、孫の庭いじりの遊び道具が入っている。移動の際には、元同僚の呑兵衛仲間に無理を言って手伝いに来てもらった。あの節は本当にお世話になりました。これに懲りずに、またお出でください。故郷の野山の匂いアケビ植う(あ)
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