いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

横須賀の義母を見舞う

横須賀に住む義母を見舞う。義母は今年92歳になる。さすがに足腰は弱ってきているものの、意識はしっかりしている。私が訪ねて行ったときは午前9時より少し前だったが、義母はダイニングのソファーに座り、近くの市民センターから借りてきたという本を読んでいた。私が、こんにちはと声をかけたが反応がない。目の前に近づき声を大きめにしてもう一度声をかけたら、びっくりした風にひょっと頭を挙げた。おや珍しいといった顔で私を認め、読んでいた本を閉じておもむろに立ち上がり、ゆっくりした動きで着衣を始める。義母は白い下着のままで本を読んでいたのだった。
ソファに投げ置かれた本を見ると、それは藤沢周平の時代小説だった。藤沢周平の作品はブックオフに行くたびに買い求め、今や文庫本になった作品のほとんどはPDF化されてハードディスクに収まっている。中野孝次藤沢周平の作品を全て読んだそうだ。そして、その全てを絶賛している。私は、『蟬しぐれ』『たそがれ清兵衛』くらいしか読んでいないが、この夏は晩酌の友として、ちびりちびり藤沢周平ワールドに浸るとしよう。それにしても義母の視力は達者そのもの。裸眼で活字を追い、指を舌で湿らせながら、のそりとページを繰っていく。耳はだいぶ遠くなったが、目は衰えをまるで感じさせない。老いてなおこの読書欲、見習わなくてはいけません。
実は、義母の住むカミさんの実家には、先月から長男が義母の世話を兼ねて居候しているのだが、その長男が職場の人間関係のトラブルで勤務できなくなった。その知らせを受けたのが伊豆から帰ってきた昨日。慌てて朝一番で横須賀に急行する。長男から直接話を聞き、とりあえず明日専門医に相談してみることにした。その後、管轄の労働基準監督署に出向いて、こちらは労働条件などについて相談してみようと思っている。5,648歩。
写真は、庭に咲いているムクゲの花。ムクゲは言わずと知れた韓国の国花。早朝に開花し夕方には萎んでしまう「一日花」で、小林一茶は「それがしも其の日暮らしぞ花木槿(むくげ)」と詠んだ。では私も。それがしの俳句にならぬ五七五(あ)
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