いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

財布を忘れて

昨夜半に雨がぱらついた。今朝のニュースで、台風20号が小笠原諸島の南を北上していると知ったカミさんは、さては昨夜の雨も台風の影響に違いない、早く箱根を越えなければ大変なことになる、小田原に辿り着けなくなるといった勢いで帰り支度を急ぐ。そういえばちょっと風が強まりだしたねと言おうものなら、痛風の激痛のような反応で帰り支度に拍車がかかる。カミさんにとって箱根越えは、事程左様に艱難辛苦を伴うものなのだ。以前、濃霧の中で箱根越えをしなければならなかった怖さが、未だに意識に残っているらしい。ともかく台風が来る前に箱根を越えなければの一心で、いつもなら途中のコンビニでアイスか何かを孫に買ってやるのに、それもせず小田原へ急ぐ。小田原へ着いて、どこかの公園で弁当を広げながら親の戻りを待つ作戦だ。下田街道から国道1号線に入るときに若干混んだが、それ以外は順調に走り、正午を少し回ったところで大雄山線相模沼田駅前にある「ほっともっと」に到着。そこで弁当を買って、新しくできた諏訪の原公園で昼食にするつもりだった。ところが、店に入ろうとして財布がないことに気づく。いや、銀行の通帳、印鑑、キャッシュカード、クレジットカードなど、今あるすべての財産を突っ込んだバッグがないことに気づいた。ない、ない、ない、ない、どこにもない。青ざめたカミさんは「ない」を連発。どうやら伊豆の車庫に置き忘れてきたらしいと、更に青ざめる。のんびり昼食なんかしている場合ではない。台風が近づいている中、孫を車に乗せてもう一度伊豆へ行くのも負担だ。親が家に戻っているのなら孫を引き渡せるのだが、親は夕方まで帰らない予定。そう聞いてはいても、緊急事態発生ということで母親の携帯電話に連絡してみる。出ない。困った。もしかして仕事明けの父親が戻っているかもしれない。とりあえず家に行ってみようと車を走らせた。すると、おお、父親が玄関前で日曜大工をしているではないか。ほっと安堵して、孫にさよならの挨拶を投げるそばから伊豆へ蜻蛉返り。車の中で伊豆の管理事務所に電話を入れ、車庫にバッグがないか見てくれるよう頼む。箱根新道の中腹で電話が返ってきて、それらしいものはないと言う。カミさんの顔は青に青を重ねて益々真っ青。バッグは車庫のバイクの後ろの荷台に置いたようだと告げると、もう一度確かめてきますと言ってくれたことに1%の期待をかける。カード会社にも電話を入れて使用ストップの手続きをとる。箱根峠を越えて下りに入ったところで再び管理事務所から電話が入り、ありました、との連絡を受ける。よかったあああ〜。1%が99%に勝った瞬間、血の気の引いていたカミさんの顔がみるみるうちに安堵の色に染まっていくのが分かった。途中で買った手土産を持って管理事務所を訪ね、深々と謝辞を述べる。そして再び帰路についたのが午後3時。藤沢に着くのが何時になるか分からないので、三島市梅名のマカロニ市場で遅い昼食を摂ることにした。私はミートソースを注文。スタッフが、よく絡ませてお召し上がりくださいと言うので、思い切り絡ませて口に含んだら、チーズを含んだソースと生パスタのモチモチ感が絶妙でした。箱根路や九死に一生九月尽(あ)

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