いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

伊豆近代文学館に行ってきた

湯ヶ島の伊豆近代文学館に行ってきた。バイクで旧下田街道を修善寺に向かう。修善寺駅前を通れば既知の道路だが、今日は敢て未知のルートを通ってみた。狩野川の左側を遡る道で、交通量も少なく走りやすい。狩野川を挟んで右側が下田街道、左側がバイパスの役目を為す新しい道といった具合になっている。ところどころ道幅が狭い箇所もあったので、もしかしたら元々あった農道を整備したのかもしれない。道は湯ヶ島の市山というところで下田街道にぶつかった。そこから天城峠まで緩やかな登り坂が延々と続く。浄蓮の滝で少しバイクを休ませる。家を出てからちょうど1時間だ。名の知れた滝だが、見るのは今回が初めて。一昨日の雨で水嵩が増していたのだろう、迫力のある轟音を轟かせ、大層な水煙を立てていた。

浄蓮の滝から2.2km上流に昭和の森会館がある。会館の中の一部が伊豆近代文学館になっていて、入場料300円。伊豆に所縁のある作家120名の資料が展示されてある。中でも井上靖川端康成は大きく扱われ、館の外には井上靖の旧邸が移築されている。玄関や縁側の戸は開いているが、耐震構造になっていないということで建物内に上がることはできない。『しろばんば』に出てくる土蔵2階の一部も復元されている。土蔵の、腰の高さまでの小さな窓から、靖少年はどんな景色を眺めていたんだろうか。

帰りに湯ヶ島小学校に立ち寄る。正門を入って直ぐの植え込みのところに『しろばんば』の洪作少年とおぬい祖母さんの像があった。像は、降り注ぐ蝉時雨の中、夏木立の濃い陰に包まれながら酷暑を凌いでいた。文豪の里や繚乱百日紅(あ)

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