いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

爪と目の話

能登の旅の前に届いていた暑中見舞いに返事を書く。撮った写真をもとに輪島の朝市をハガキに描いてみた。今ひとつ筆に勢いがないが、まあ、小池邦夫先生も「ヘタでいい、ヘタがいい」と仰っていることだし、お言葉に甘えてヘタな絵を描いて残暑見舞いとした。

近くのコンビニまでハガキを出しに行く。コンビニ前に郵便ポストがあって、今しも郵便屋さんがポストの郵便物を回収しているところだった。ラッキー、何とか午前の回収に間に合った。ハガキを郵便屋さんに手渡ししてコンビニの店内に入る。今日発売のビッグコミックと、同じく今日発売の文藝春秋9月号を併せて購入。文藝春秋は毎月ではなく、芥川賞が掲載された特別号だけ購読している。

第149回芥川賞藤野可織の『爪と目』。3歳の女の子である「わたし」から見た「あなた」を語るというスタイルをとる。「あなた」とは女の子の父親の愛人。母とは半年前に死別。だいたい、3歳の女の子が父親の愛人の様子をつぶさに語るという設定には無理があるのではないか。かつて3歳だった女の子が大人の世界を知る年齢になって、そこから昔の記憶を辿りながら語っているということなのだろうか。古本屋との不倫現場は目撃していないはずだし。それにしても、そんなに手の込んだ設定にしなくても良かったような気がする。選者の一人である島田雅彦氏は、「成功例の少ない二人称小説としては、例外的にうまくいっている」と評価しているが、でも、今回は成功したにしても、この手法はもう二度と使えないですよね。次作はどう出るか注目したいところです。クラス会爪噛む癖の女の子(あ)

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