いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

ホタル

伊豆の家から自転車で10分ほどのところに韮山反射炉がある。現在、世界遺産登録を目指しているそうな。その反射炉の脇を流れる韮山古川という小川には、天然のホタルが棲息するスポットがあるという。FMいずのくにでもさんざ宣伝していて、ちょうど6月上旬がホタルが多く飛ぶ時期だというので、ならば話の種にと出かけてみた。青森で少年時代を過ごした頃、近所の洟垂れグループで一度だけ蛍狩りをしたことがある。あれって6月だったかなあ。じとじとして寝苦しい真夏の夜だったような記憶だけど、稲の穂が膝ぐらいの高さだったような気もするから、時期としては今頃だったのかもしれない。あの時の洟垂れグループがどんなメンバーだったのか、今ではすっかり忘れてしまった。

夕食を軽く済ませ、暗くなるのを待つ。晩酌をしない夕食なんて、5年前に教育入院して以来だ。たかがホタルを見るためだけに酒を抜くとは、そんな自分が何とも不思議。依存度はまだまだ低レベルってことだね。映画「毎日かあさん」のおとさんみたいになったら悲惨だものね。

夕方7時半を過ぎた辺りからホタル目当ての人たちが集まりだした。見たところ、家族連れが多い。反射炉の駐車場から民家の並ぶ道を1、2分歩くと、舗装されていない土手道に出る。未舗装の土手道は200mほど続いていて、そこがホタルの鑑賞スポット。外灯の明かりもホタル観賞用に落としてある。民家の方々も、シーズン中は外に光を漏らさないように協力してくれているようだ。ありがたいことです。それでもフラッシュを焚くばかやろうがいる。そういう地元の方の善意を踏みにじるようなことをしてはいけません。8時近くになって、蛍の光も徐々に増えてきた。淡い光をぽっと放ったかと思うとすっと消える。樹の枝と水草の茂みの間に、2、30匹は飛んでいただろうか。昔は文読めるくらい乱舞していたんだろうなあ。土手沿いには「静かに」の看板がガードレールのように立てられてあったが、それもなんのその、子どもたちの無邪気な声としたり顔で説明する親の声が案外耳障りで、夢幻の境地に程遠く、これまた致し方ないことと諦めながら家に戻る。ホタルなんてたいしたことねえじゃねえか。昔はざらに飛んでいたもんだ。何をありがたがってんだ。ホタルが飛べなくなった環境を悲しめ。晩酌のなき夜蛍の光かな(あ)

flash画は小泉今日子。映画「毎日かあさん」で漫画家の西原理恵子役を好演していました。朝の連続ドラマ「あまちゃん」でもいい味出しています。

f:id:jijiro:20130610030138j:plain